2022年現在、わずか2秒前後で時速100kmに到達するハイパーカーが存在します。
驚異的な加速性能はハイパーカーの醍醐味であると同時に、自動車の限界との戦いでもあります。
0.1秒を削るために、ありとあらゆる可能性を試していくエンジニアには頭が下がります。
そんな限界に近づいたと思われたハイパーカーの加速性能がさらに飛躍する可能性があると言及するメーカーがあります。
クロアチアのハイパー電気自動車メーカーである「リマック」です。
リマックの主任エンジニアによると、将来的にリマックのパワートレインはわずか1秒未満で時速100kmに到達することが可能と語っています。
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わずか1秒未満で時速100kmに到達?
画像引用元:Motor1
本当に、わずか1秒未満で時速100kmに到達することが可能なのでしょうか?
まず1秒という時間の単位を明確にしましょう。
【1秒】
国際単位系(SI)で「1秒は、セシウム133原子の基底状態の二つの超微細構造準位の遷移に対応する放射の周期の91億9263万1770倍の継続時間。」と1967年に定義され、 現在も使われている。初期の頃は「1秒は、平均太陽日の1/86400」と天文時による定義などがされていたが、地球の自転速度は一定でないため 上記の様な原子時によって定義された。
まぁ、そもそも1秒をセシウム133原子の放射周期と定義した人はどんな頭をしていたか気になります。
とにかく、1秒という時間は「あっ」という間に過ぎ去っていくほどの短い時間です。
ちなみに、世界最速の短距離選手であっても1秒間に10mしか走ることが出来ません。
リマックは1.85秒で時速100kmに到達することができるハイパー電気自動車「Nevera(ネヴェラ)」を発売しています。
実はリマックのエンジニアはこの「ネヴェラ」こそが、1秒未満で時速100kmに到達することが出来る世界最速の電気自動車であると語っています。
つまり、「ネヴェラ」は1秒未満で時速100kmに到達できるのにもかかわらず、意図的に1.85秒に抑えているわけですね。
「ネヴェラ」の0-100km/h加速タイムが1.85秒に抑えられた理由は、ユーザーフレンドリーであるためです。
「ネヴェラ」にスリックタイヤを履かせれば理論上1秒未満で時速100kmに到達することは可能なようです。
しかし、「ネヴェラ」はあくまで市販車です。
よって、ハイパー電気自動車であっても、ドラッグレースでベストタイムを出すためのドラッグスターではありません。
また、モーターをはじめ、ドライブシャフトやベアリングなど駆動系部品の寿命を延ばす意味でもディチューンする必要があったようです。
まぁ、「ネヴェラ」は加速だけを念頭に置いて作られたわけではないということですね。
だからといって「1.85秒でユーザーフレンドリーだ!」っていうのも、どうかと思いますが・・・・。
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リマック「ネヴェラ」ってどんな車?
画像引用元:Motor1
リマック「ネヴェラ」は、世界250台限定のハイパー電気自動車です。
新車時の販売価格は、250万ドル(約3億5000万円)でした。
リマック「ネヴェラ」はモーターのみで走行する完全電気自動車で、時速100kmまでのわずか1.85秒しか必要としない化け物です。
各タイヤに設置された4つの最適化されたモーターよって生み出される最高出力は1914馬力!最大トルクは240kgm(2353Nm)にも達します!
258MPH(約412km/h)の最高速度を可能にするために空力性能にも余念はありません。
Cd値0.3を基準に「ハイダウンフォース」モードでは空気抵抗を326%の増加、「ロードラッグ」モードでは逆に17.5%減少させることが可能です。
リマック「ネヴェラ」はとにかく常軌を逸したモンスターカーであり、とても素人が扱える車でないことが理解できますね。
ちなみに、富士急ハイランドにあるドドンパですが、0-172km/hを1.8秒で完了させます。
もし、リマック「ネヴェラ」の加速力を体験したいのであれば、富士急ハイランドのドドンパに乗ってみましょう!