フランスのプレミアムブランドである、DSオートモービルズより、新型SUV、「DS 7 クロスバック」が発売されました。
DSオートモービルズというメーカーは、日本では知る人ぞ知る、まだマイナーなメーカーというイメージがあります。
むしろ、DSオートモービルズというメーカーが存在することさえ知らない人の方が多いかもしれません。
それもそのはず、DSオートモービルズが発足したのは2009年です。
つまり、2018年現在、まだ10年も経たない新しい自動車メーカーなのです。
新しい会社とはいえ、自動車作りのノウハウを知らない車好きのお金持ちが作ったベンチャー企業ではありません!
DSオートモービルズは、フランスを代表する自動車メーカーであるプジョー・シトロエングループが、フランスのハイクオリティーブラントとして設立した自動車メーカーなのです。
はい、プジョーとシトロエンのロゴ、ドン!
CITROЁN(シトロエン)はギリギリ読めるとしても、PEUGEOT(プジョー)は無理ですね。
フランス語は難しいです。
話を元に戻しましょう。
トヨタはレクサス、ホンダはアキュラ、日産はインフィニティ、というそれぞれの高級車部門を立ち上げたように、プジョー・シトロエンもDSオートモービルズという高級車部門を設立したというわけですね。
日本では、まだニッチな自動車メーカーではありますが、その車づくりは、日本車をはじめ、ドイツ車にも見られない、とてもユニークなデザインが採用されています。
そんなフランス生まれの「オシャレ番長」であるDSオートモービルズのDS 7 クロスバックをご紹介します。
DS 7 クロスバックのエクステリア
まずはDS 7 クロスバックのエクスリアをチェックしてみましょう。
DS 7 CROSSBACKのフロントマスク
DS 7 クロスバックのフロントマスクです。
Ville de Lumière ~ 光の 都と呼ばれるパリの夜景からインス パ イアされた鮮烈なライティングシグネチャー。
と、メーカーが謳っているとおり、煌びやかな印象のあるデザインとなっています。
ヘッドライトユニットに沿うようにデザインされた大きなグリルとバンパーに施されたこれまた大きなエアインテイクは、まるで、違う車のフロントを上下でくっつけたようなユニークなスタイリングですね。
印象的なヘッドライトグラフィックは、DS 7 CROSSBACKの最大のハイライトになっているようで、左右3個ずつ採用されたダイヤモンドのようなLEDモジュールが高級感と先進性をもの語り、さらに、見た目だけではなく、これまたユニークなギミックが採用されています。
そのギミックはのちほどご紹介すしますね。
DS 7 CROSSBACKのサイドビュー
DS 7 CROSSBACKのサイドビューです。
4ドアクーペのような流麗な曲線が与えられたシックスライトウィンドウが美しいですね。
キャラクターラインでは、フロントフェンダーからフロントドアにかけての「くびれ」がフロントフェンダーの張り出し感を与え、SUVの塊感とワイド感を表現。
さらに、フロントからリアに駆け上がっていくキャラクターラインが、まるでクーペのような前傾姿勢を表現しています。
ボディーをツートンカラーにすることで、バルキーなSUVのフォルムを抑えて、スタイリッシュな印象を与えています。
タイプ別でのデザインですが、アルミホイールも凝ったデザインになっていて、車へのこだわりが感じられます。
DS 7 CROSSBACKのリアビュー
DS 7 CROSSBACKのリアビューです。
細く左右につながるように伸びたリアテールライト、そして、低いリアガラスの使い方がまるで、「DS 7 CROSSBACKはクーペなのか?」という印象を与えてくれますね。
また、エキゾースト部も縦型の台形にするという、あまり他のメーカーが採用していないデザインを取り入れることで、DS 7 CROSSBACKと一目でわかる個性を出してて好感が持てます。
写真ではわかりずらいかもしれませんが、リアテールライトのグラフィックにも拘りが詰まっています。
こちらものちほどご紹介します。
DS 7 CROSSBACKのカラーバリエーション
フランス車なのでもっと原色系の色がいっぱいあるのかと思っていましたが、そこはやはり、プレミアムカーということで、落ち着いた高級感のあるカラーバリエーションが用意されています。
私は白がいいかぁと思っていたのですが、こうやって見てみると「ブルーアンクル」が落ち着いたブルーで、オシャレな感じがあるので、いいですね。
あなたはどのボディーを選びますか?
DS 7 クロスバックのインテリア
さぁ、DS 7 CROSSBACKのインテリアです。
第一印象は、スッキリしていて、いい意味で裏切られた感じを受けました。
エクステリアから想像したインテリアは、もっと奇抜なデザインなのではないかと思っていたので、この落ち着いた雰囲気は好きですね。
あえてデザインを変えなかったのかはわかりませんが、シフトノブがプジョーの3008と同じところが、プジョー・シトロエングループであること証ですね。
センターコンソールの正面に設置されたインフォテイメントシステムは、8インチのタッチスクリーンを採用しています。
このシステムでナビゲーションをはじめ、エアコンや車両設定などを行うようです。
シートデザインは、まるで「バットスーツ」のようなデザインを採用しています。
「バットスーツ」の画像、はい、ドン!
いやぁ、やっぱいつ見てもバットマンはカッコいいですね。
バットマンはいいとしても、シートがバットマンは嫌というあなた!
ご安心ください!
DS 7 CROSSBACKのインテリアは3つのデザインが用意されていて、それぞれ、フランスのオシャレ番長の名に恥じない個性があるデザインになっています。
まず、今ご紹介したバットスーツのようなシートを採用しているのは「OPERA(オペラ)」というデザインです。
「OPERA」のコンセプトは、あの「オペラ座」です。
オペラ座のには、大理石、ブロンズ、金箔 、モザイク装飾、彫刻といった、ネオバロック様式の絢爛たる装飾施されていて、それらの制作には、それぞれ数十人の画家、モザイク職人 、彫刻家が参加したと言われることから、それに倣い、高級レザーであるナッパレザーを使用し、ウォッチストラップをイメージしたシート、インパネにもナッパレザー使用し、ステッチの色やボタンの装飾など、細部にまで拘ったデザインとなっています。
そして、2つ目は、「RIVOLI(リヴォリ)」です。
はい、ドン!
「RIVOLI」は、パリ1区に東西に延びている通りである、リヴォリ通りのことです。
リヴォリ通りは、古い石造りの街並みに、一流のレストランやハイブランド店が軒を連ねる、まさにセレブ御用達の通りです。
「RIVOLI」はフレンチラグジュアリーという名にふさわしいく、高級レザーのナッパレザーにシックな格子柄のデザインを採用し、ボタン類もクロームメッキで装飾されたオシャレ仕様となっています。
このインテリアはとてもユニークで、個人的には好きですね。
そして、3つ目は、「BASTILLE(バスティーユ)」です。
はい、ドン!
「BASTILLE」は、フランス革命発端の地として知られている「バスティーユ広場」をイメージしています。
つまり、原点と言うわけですね。
シック、エレガンス、エスプリ、着飾ることなく、そのままの状態でも感性されたデザインを堪能できる仕様となっています。
と、カッコいいことを言いましたが、要するに標準インテリアは「BASTILLE」ということですね。
ちなみに、シートはレザーではなく、モケット(布)シートとなります。
DS 7 クロスバックのスペック
さぁ、お待ちかねのDS 7 CROSSBACKのスペックに迫っていきます。
DS 7 クロスバックのサイズ
全長:4,590mm
全幅:1,895mm
全高:1,635mm
重量:1,570~1,720kg(タイプ、オプションによって差異あり)
DS 7 CROSSBACKって結構大きいんですよね。
ホンダのヴェゼルやトヨタのCH-RくらいのコンパクトSUVくらいのサイズと思っていたら、ホンダのCR-Vやトヨタのハリアーのサイズでした。
コンパクトカーが得意なフランスメーカーが本気で作ったプレミアムカーですから、日本車やドイツ車のライバルに引けを取るわけにはいきませんからね。
DS 7 CROSSBACKのパワートレイン
DS 7 CROSSBACKのパワートレインはディーゼルとガソリンの2タイプです。
2.0ℓ直列4気筒DOHCターボディーゼル
最高出力:130kW(177PS)/3,750rpm
最大トルク:400Nm/2,000rpm
JC08モード:16.4km/ℓ
燃料:軽油
400Nmという最大トルクが、1500kgを超える車重を楽々加速させてくれるので、非常に運転しやすいスペックになっています。
ちなみに、ほぼ「排気量が1ℓの自然吸気ガソリンエンジンの最大トルク(加速力)≒100Nm」と考えていいので、最大トルクが400Nmということは、4ℓのガソリンエンジン並みの加速力を持っているということです。
さらに、この2.0ℓターボディーゼルの特性に合わせた減速比を採用した8速オートマチックトランスミッションが組み合わせれるので、ストレスフリーの走行性能を実現しています。
1.6ℓ直列4気筒DOHCターボエンジン
最高出力:165kW(225PS)/5,500rpm
最大トルク:300Nm/1,900rpm
JC08モード:14.7km/ℓ
燃料:ハイオクガソリン
「たったの1,600ccしかないの?」と思ってはいけませんよ!
よく見て下さい!
たった1.6ℓのエンジンで、最高出力225馬力&最大トルク300Nmって凄いことですよ!
ちなみに、エンジンのライトサイジングが得意なドイツ車の場合、主流の1.8ℓ直噴ガソリンターボエンジンで、最高出力190馬力で、最大トルクは280Nmほど。
さらに、2.0ℓの4気筒直噴ガソリンターボエンジンでも、最高出力は180馬力~252馬力で、最大トルクは、320Nm~370Nm程となっています。
これを踏まえ、改めてDS 7 CROSSBACKの1.6ℓガソリンターボエンジンのスペックを考えると、最高出力が225馬力で、最大トルクが300Nmって凄くないですか?
もしかすると、安全マージン(エンジンの耐久性を上げるため、あえてパワー弱く調整すること)を削って、限界ギリギリのスペックを叩き出したのかもしれませんね。
補足情報ですが、ドイツ車は300馬力の最高出力の出るエンジンをディチューン(性能を下げる処理)し、200~250馬力にすることで、エンジンへの負担を減らします。
つまり、性能をあえて70%~80%に抑えているということです。
そうすることで、エンジンの耐久性を上げるわけですね。
ということで、一概にDSのエンジンが世界最強とは言いませんが、そのスペックを叩き出した開発陣には「よくやった」と言いたいと思います。←何様?
もちろん、この1.6ℓガソリンターボエンジンのパワーに最適な減速比を適応した8速オートマチックトランスミッションが組み合わされます。
DS 7 クロスバックの装備
それでは、DS 7 CROSSBACKの装備をご紹介しましょう。
フランスのラグジュアリーカーはやはり「しゃれおつ」ですね。
デジタルメーター
DS 7 CROSSBACKのメーターナセル内には液晶パネルが採用されています。
写真のように、どこからどう見ても「デジタル」というでざいんですね。
もちろん、いくつかの表示モードが用意されているのですが、基本的に、写真通りのメーターです。
ここでご紹介したいのが、ユニークなスピードメーターとタコメーターです。
中心に表示された菱形(◇)の左右のラインに着目してください。
左がスピードメーターで、右がタコメーターになっています。
正直、半端なく見にくいメーターですが、非常に新しいというか、変わっているというか、まぁ、ユニークですよね?
何が言いたいかというと、「オシャレは我慢」ということです。
B.R.Mの時計
ダッシュボードの中央に配置されたアナログ時計は、B.R.Mの高級アナログ時計を採用しています。
ここで補足情報として、B.R.M社は2002年にフランスで発足したハンドメイドウォッチメーカーです。
このB.R.M社は、エンジンをモチーフにした腕時計を作成するなど、自動車にも深く携わっていて、オーダーメイドの品質に拘り、月に200個の時計しか製造しないことで有名なウォッチメーカーなのです。
B.R.M社の腕時計の画像、はい、ドン!
とりあえず、この時計のお値段だけお伝えしますね。
税込み価格、¥1,233,540ということです。
そんなフランスの高級時計メーカーが、DS 7 CROSSBACKに搭載されている時計のデザインと作成を手掛けています。
まるで、ベントレーがブライトリング社の時計を採用するように、DSはB.R.M社の時計を採用する。
これだけで、DSのプレミアムカーへの本気度がわかりますね。
DS アクティブLEDビジョン
エクステリアで少しだけ触れたヘッドライトです。
画像を見てもらうと、一番左にあるプロジェクターは、ロービームライトなので、説明は不要ですよね。
注目すべきは、内側に配置された宝石のような3つのLEDユニットです。
まずは、こちらの動画をご覧ください。
ダイヤモンドのように見えていたのは、複雑なカットが施されていたLEDレンズだったのです。
楕円形に形成されたそれぞれのレンズを、車速とワイパーに連動し、回転させます。
それによって、光の角度を変えることで、LEDライトの照射範囲と位置をコントロールしています。
〔 配光モード 〕
① パーキングモード :停車中
② 市 街 地 モ ード:ビーム幅を広げて、危険性の高い道路歩道側を照射。
③ 郊 外 モ ー ド:ビーム長を伸ばし、危険が潜む道路両側も照射。
④高速 道 路モード:ビーム量を最大にし、照射距離を伸ばします。
⑤悪 天 候 モ ード:ビーム幅を広げ、白線の視認性を高め、眩惑を避けるため光量を調節します。
⑥ ハ イビ ー ムモ ード:ハイビームとロービームを自動で切り換えて最適な前方視界を確保するインテリジェントハイビームと連動し、ハイビーム時にライトのパワーと照射範囲を最大にします。
DS 7 CROSSBACKのリアテールライトグラフィック
「DS 7 CROSSBACKのリアビュー」でもったいぶっていたリアテールライトグラフィックです。
とても複雑なデザインになっていますよね。
最新のレーザー彫刻技術によって形成された美しいミステリアスな3DのLEDライトが、DS 7 CROSSBACKのリアビューを一際輝かせています。
見れば見るほど複雑な文様です。
これは一目でDS 7 CROSSBACKと分かるテールライトグラフィックですね。
DS アテンションモニタリング
DS 7 CROSSBACKにはドライバーの目線と瞼を監視する機能が備わっています。
まずは、こちらの動画をご覧ください。
はい、ドン!
ハンドルの上部に取り付けられたセンサーにより、ドライバーがわき見や居眠りなどで目線が道路上から外れた場合、ドライバーに休憩を促すという機能です。
ステアリングに不自然な操作が続くことによってドライバーに休憩を促すという機能を備えている車は沢山あるのですが、センサーで監視しているというところが最近の車っぽくていいですね。
DS アクティブスキャンサスペンション
こちらもまずは、動画をご覧ください。
はい、ドン!
フロントカメラによって路面の凸凹を読み取り、可変ダンピングコントロールにより、ダンパーの硬さを自動的に調整するという機能です。
エアサスではないので、まったく振動がなくなるというわけではないようですが、これはこれで有り難い機能です。
どれほど乗り心地に効果があるのか、乗り比べてみたいですね。
DS 7 CROSSBACKのグレードと価格
DS 7 CROSSBACKのグレードは2つです。
まず、1つ目は、「So Chic」です。
「So Chic」は基本グレードとして用意されています。
エンジンは2.0ℓターボディーゼルのみで、インテリアはシックな「BASITTLE」のみ選択可能です。
オプション設定で、ハイテク装備の「DS アクティブLEDビジョン」、オートレールゲート、フロントシートヒーター、18インチアルミホイールなどのパッケージが用意されています。
完全なエントリーグレードですね。
車両価格は、4,690,000円からとなっています。
そして、2つ目は、「Grand Chic」です。
こちらの「Grand Chic」は、エンジンを「ガソリン」か「ディーゼル」か選択可能です。
さらにインテリも選択可能となっていて、標準で「RIVOLI」、オプションで「OPERA」となっています。
基本的になんでも付いている欲張り仕様となっていて、オプションの設定もサンルーフを中心とした贅沢仕様のみとなっています。
気になる車両本体ですが、
1.6ℓガソリンエンジンを搭載する「Grand Chic PureTech」が、5,420,000円。
2.0ℓディーゼルエンジンを搭載する「Grand Chic BlueHDi」が、5,620,000円となっています。
Mの独り言
DS 7 CROSSBACKを色々とご説明してきました。
正直、期待以上の素晴らしい車です。
初めて、フランス車に魅力を感じることが出来ました。
そんなDS 7 CROSSBACKにも一言言わせて頂きます。
フロントのデザインがアウディのSUVに激似じゃない?
いつものように比較画像を作成したので、ご覧ください。
はい、ドン!
いかがでしょう?
アウディのフラッグシップSUVであるQ7とQ3のハイパフォーマンスバージョンであるRSQ3を掛け合わせて割ったようなデザインに見えてしょうがないです。
これはアウディのデザインがどんな車にも似てるように作ってるのか、他のメーカーが似せているのかは定かではありませんが、パッと見たらこの3台のどのモデルか判別するのが難しいレベルです。
とは言っても、フロントのデザインだけの話ですので、あまり気にすることではないかもしれませんね。
アウディQ8発売決定!新型SUVの概要、日本発売時期、価格は?
まとめ
いかがでしたか?
DS 7 CROSSBACKというより、DSというメーカーはまだ日本にはそこまで馴染みがないメーカーです。
聞きなれないメーカーですが、車づくりに関しては、しっかりとしたノウハウを持っていて、且つ、期待以上の性能を持った車を世に出していることには変わり在りません。
DS 7 CROSSBACKサイズのSUVは、日本車だとホンダのCR-V、トヨタのハリアーあたりで、価格帯も400万円から500万円です。
ドイツ車になるとメルセデスベンツのGLC、BMWのX3、AudiのQ5になりますが、軒並み600万円以上と高額になっています。
そう考えると、日本車じゃなくて輸入車が欲しいと思っているならDS 7 CROSSBACKは一考してみる価値は十二分にあると思います。
もし私が検討するとしたらDS 7 CROSSBACKの「Grand Chic BlueHDi」ですね。
インテリアは「RIVOLI」のままでいきます。
「フランスだけが生み出せる、ラグジュアリーがある」
まさに、そう思わせてくれる素晴らしい車ですね。