2022年6月1日、ロシアはドイツへの天然ガス提供を一時停止すると発表(ソース:日本経済新聞)しました。
可燃性の天然ガスは、自動車製造のみならず、ドイツ国民の生活にも欠かせない資源です。
天然ガスの提供を一時停止するとなれば、その間の自動車製造なんて言っている場合ではありません。
ドイツ国民からすると、自身の生活すら危ぶまれる事態に発展する可能性があります。
ロシアが天然ガス提供を一時停止したことにより、ドイツ車の生産は深刻な遅延が予想されます。
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ロシアがドイツへの天然ガス提供を一時停止した理由とは?
ロシアがドイツへの天然ガス提供を停止した理由は、イギリスに本社を置くシェル子会社の「シェルエナジー」がルーブル(ロシア通貨)での支払いを拒んだことにあります。
シェルエナジーはロシアのウクライナへの軍事侵攻を非難し、経済制裁としてロシアが求めるルーブルでの支払いを拒否しています。
このため、ロシアはドイツへの天然ガスの供給を2022年6月1日から停止すると発表しました。
ロシアへの経済制裁として、オランダとデンマークはルーブルでの支払いを拒否しています。
その結果、オランダとデンマークは2022年5月31日からロシアからの天然ガス供給は停止されています。
それでもオランダとデンマークは、国内に及ぼすリスクは甚大としながらも、「ルーブルで支払う法的な義務はない」と強固な姿勢を保っています。
とは言え、ロシアからの天然ガスを停止させたのは、全てを担っている「シェルエナジー」です。
ロシアによる軍事侵攻以来、EU各国が経済制裁を行う中、ドイツが沈黙を保っていたのは、ロシアから提供される天然ガスの停止を懸念していたからと思われます。
つまり、ロシアによる天然ガスの供給停止は、それだけドイツ国内における深刻な問題を引き起こすという事です。
天然ガスの供給を絶たれたドイツ国内は戦々恐々とすることは想像に難くないでしょう。
自分の生活も危ぶまれるのに、仕事なんてやってられるわけありません。
よって、ドイツの自動車メーカーの製造工場では、天然ガスの供給を求めるためのストライキが起こる可能性があります。
ストライキが起これば、ドイツの自動車メーカーは工場を稼働することは出来ません。
ストライキの解除には、労働交渉をはじめ、労働者の要求を呑む、もしくは、妥協策を模索する約束をする必要があります。
ドイツに本社を置く自動車メーカーは、「メルセデスベンツ」「BMW」「アウディ」「フォルクスワーゲン(VW)」「ポルシェ」という世界的に有名なビッグネームです。
ドイツメーカーが自動車の製造が出来なるなるとなれば、世界的な混乱を招く恐れがあります。
よって、ドイツの自動車メーカーは著しい自動車の生産遅延が予想されます。