トヨタ「ランクル300」の納期が大幅に短縮する一方でキャンセルも出ている理由とは？

トヨタの人気SUVモデル「ランドクルーザー300（以下：ランクル300）」の納期が大幅に短縮されているようです。

2021年8月にフルモデルチェンジを果たした新型「ランクル300」ですが、発売するや否や注文が殺到し驚異的な受注を記録したことでも知られています。

コロナ禍による半導体部品不足の影響もあり新型「ランクル300」の納期は最低でも2年、最終的には納期は4年にまで伸びていました。

そんな新型「ランクル300」の納期ですが、2023年9月現在において大幅に短縮傾向にあり、全国のトヨタ店で納車が開始されているようです。

画像引用元：トヨタ

「ランクル300」の納期が短縮された理由は？

トヨタ「ランクル300」の納期が短縮された理由は、トヨタが国内流通用の生産台数を増やしたことが挙げられます。

トヨタの日本国内工場で生産された車両は「国内用」と「輸出用」があるため、日本国内工場で生産されたすべてが日本国内に流通しているわけではありません。

特に2022年は急激な円安の影響もあって、優先的に「輸出用」の車両生産台数を増やすため、「国内用」の生産台数を制限していたようです。

2022年12月頃に円相場が落ち着き始めたのを機に、トヨタは「国内流通用」の生産割合の増加を発表していました。

2023年5月現在、まだまだ本調子ではないものの生産台数は増加しており、予定よりも早くディーラー担当者から納車の連絡が来たというユーザーの声も多くなっています。

現に私の知人も「ランクル300」が受注停止になる前に契約したときに納期は4年と言われていたのですが、2023年に入って担当者から「2023年夏頃に納車できそうだ」と連絡をもらっています。

徐々にではありますが、トヨタの国内流通台数は回復しており納期は早まっていると見て良いでしょう。

しかしながら、「ランクル300」の納期短縮の理由はもう一つあるようです。

「ランクル300」のキャンセルも多くなっている理由とは？

トヨタ「ランクル300」の納期が短縮されたもう一つの理由は、「ランクル300」の予約キャンセルの増加も関係しているようです。

トヨタの営業マンの知人に聞いた話だと「ランクル300」には「注文予約」というものがあり、この「注文予約」のキャンセルが発生しているとのことでした。

「注文予約」とは「とりあえず注文を取ってる仮契約のようなもの」で、生産枠が振り分けられてから最終的に仕様確認を行い「本注文」を行うようです。

この「注文予約」から「本注文」の確認時に色々な「事情」によってキャンセルが相次いでいるようですね。

「仮契約」とはいえ契約書を交わしているので「やっぱり買うのやめた」なんていう軽い気持ちではキャンセルはできませんが、やむを得ない理由であれば受け入れているとのこと。

購入意思があってもいざローンの審査をしたら通らなかった人もいれば、4年と聞いていた納期が1年ちょっとだったためまだ購入資金が用意できていないからキャンセルという理由もあったようです。

3～4月ということもあって「転勤」や「転職」、「引っ越し」を理由にキャンセルするユーザーも多かったみたいです。

いずれにせよ、予約キャンセルが発生したことで「ランクル300」を本当に買いたいユーザーに早く届ける事が出来るのはいいことであることは間違いありません。

転売目的のキャンセルも増加？

トヨタ「ランクル300」の転売目的の予約キャンセルも増加しているようです。

新車の強い生産制限による納期長期化と受注停止により、「ランクル300」は一時的に定価の2倍以上の価格で取引されていたことは記憶に新しいと思います。

新車価格800万円の車が中古車で1600万円以上で売られているという異常事態でしたね。

トヨタとしても「転売」や「輸出」を防ぐために「納車から1年以内に転売・譲渡をしない」という誓約書にサインを求めていましたが、法的な効力の無いものなのでほとんど意味がなかったと聞いています。

そこで現金一括購入を不可として、ローンもしくはリースの利用を条件として販売する店舗も増えているようです。

ローン、もしくはリースの場合、車両所有者が「ローン・リース会社」か「販売会社」になるため、勝手に車両の名義変更を伴う転売が出来なくなります。

この転売予防策が功を奏して「転売目的」で注文した人がキャンセルを入れているケースがあるようです。

また、トヨタ車とレクサス車の中古車買取相場が急落しているのも要因の一つでしょう。

トヨタが国内流通台数を増加すると発表して以降、2023年に入ってからトヨタ車とレクサス車のオークション価格が大幅に落ちています。

さらに繁忙期であるはずの1～3月でも中古車が売れていないそうで、中古車の買取価格が下落し続けているとのこと。

今、「転売目的」で「ランクル300」を購入したことろで良くてトントン、最悪の場合購入価格を下回る可能性もあるためキャンセルを申し入れるケースもあるでしょうね。

どんな理由であれ、本当に「ランクル300」の納車を心待ちにしているユーザーとっては朗報です。

少しづつではありますが、「ランクル300」が走っている姿を街で見かける事も多くなってきました。

2023年末～2024年前半にかけて「ランクル300」の弟分である新型「プラド（ランクル250）」が発表されると期待されています。

新型「プラド（ランクル250）」では、「ランクル300」のような極端な納期長期化にならないように願いたいものです。

新型「ランクル250」の発表も影響？

新型「ランクル250」の発表が、「ランクル300」のキャンセルによる納期短縮に大きな影響を与える可能性があると予想されています。

2023年8月2日（日本時間）にトヨタは「プラド」の後継モデルとなる新型「ランクル250」をワールドプレミアしました。

発表されるや否や世界中で話題となっており、発売を心待ちにしているユーザーが後を絶ちません。

トヨタは新型「ランクル250」の日本発売時期を2024年前半に予定していると発表していることから、「ランクル300」から新型「ランクル250」への巻替えが予想されます。

現在「ランクル300」の納期は2～3年と言われており、もしかすると新型「ランクル250」を注文していた方が早く納車される可能性もあるからです。

さらにトヨタが「原点回帰」と気合十分に新型「ランクル250」をカクカクボディの本格派オフローダーとして進化させたことで、アウトドア好きの心を鷲掴みにしたことは言うまでもありません。

今後、「ランクル300」の注文をキャンセルして新型「ランクル250」を注文し直すユーザーが増えると予想されています。

これにより、「ランクル300」の順番待ちが繰り上がり、納期がさらに短縮される可能性があります。

新型「ランクル250」の発表は、「ランクル300」の納車を心待ちしているユーザーには朗報となるかもしれません。

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