2018年11月、LAモーターショー2018が開催されました。
国際モーターショーの一つということもあり、どのメーカーも魅力的な車を発表しています。
そんな中、アウディが2018年にアメリカで発売を開始したアウディe-tronのスポーツモデルであるアウディe-tronGTコンセプトを発表しました。
このところ電気自動車の開発に余念がないアウディですが、次世代モビリティとして電気で動くスーパーセダンを投入するようですね。
LAモーターショーで発表されたアウディe-tronGTコンセプトは世界中のメディアを騒がせました。
プレゼンテーションの中でアウディのアメリカ法人の責任者が「スーパーヒーローの為の次世代スーパーカーです。」と語っています。
その言葉通りアメリカのヒーロー映画「アベンジャーズ」に登場したことで、「スーパーヒーローの車」というイメージがピッタリになりました。
電気スタンドのインフラが進んでいるヨーロッパとアメリカでは、この手の電気自動車は夢物語ではなく、ごくごく当たり前の存在となっています。
世界最大の車大国のアメリカのカリフォルニア州では早くも電気自動車に対し減税を行い、電気自動車の使用へとシフトしています。
アウディの親会社であるフォルクスワーゲンもEV事業に本腰をいれると発表しているので、これから電気自動車の開発はより一層加速していくでしょう。
それではアウディe-tronGTコンセプトの画像を見ながらあれこれ勝手に妄想してみたいと思います。(笑)
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アウディe-tronGTの発売時期
アウディ初のEVスポーツカー「e-tronGT」の日本発売時期は、2022年初旬と予想します。
気になるアウディe-tronGTの発売時期ですが、2020年中の生産開始、発売に関しては2020年年末~2021年初旬を予定しています。
これは同じグループのポルシェのTaycanが2019年から2020年に生産販売されるため、発売時期をずらすという見方が濃厚です。
ましてや、同じグループということだけではなく、同じプラットフォームに、同じパワートレインの車ともなれば、出来るだけ競合は避けたいところでしょうね。
2020年以降の日本での充電スタンドの法整備とインフラがどの程度改善されているかによって日本発売時期は変わってくるでしょうね。
実は、海外の急速充電器は日本の急速充電器の約3倍の電圧で充電することができます。
つまり、約20分で80%の充電が可能というアナウンスがあった場合、日本ではその3倍の時間をかけなければ80%の充電ができないということです。
充電するたびに1時間も足止めを食らうとなれば、楽しいドライブも台無しです。
なので日本ではあまり充電する必要のないコンパクトバッテリーを積んだコンパクトカーが主流なのです。
ここが改善されれば比較的早い段階で日本での発売も期待できると思います。
よって、アウディe-tronGTの日本発売時期は、早くとも2022年初頭となると予想します。
アウディe-tronGTコンセプトのスペック
LAモーターショー2018で発表されたアウディe-tronGTコンセプトのトレーラーです。
トレーラーには「Audi Sport」というロゴが登場します。
実は、アウディe-tronGTコンセプトはアウディのレース部門であるAudi Sport GmbHが手掛ける電気自動車です。
Audi Sport GmbHは、ル・マンに出場するR18の開発製造を行い、そのノウハウを活かし、アウディのハイパフォーマンスモデルである「RSシリーズ」、そして、アウディのスーパーカー「R8」を製造する本格的なレース部門なのです。
そんな本物のレース部門が手掛ける電気自動車が普通のスペックのはずがありません。
海外メディアの情報によると、アウディe-tronGTコンセプトに搭載されるモーターの総出力は434kW(590PS≒582馬力)という大パワーを発生させ、0-100km/hは3.5秒、そして、たった12秒で200km/hまで到達するほどのパフォーマンスを持っているとのこと。
気になる最高時速ですが、EVモーターの安全マージン確保のため、240km/hでリミッターが設定されるようです。
アウディRS4とRS5に搭載されている2.9リッターV6ツインターボエンジンが450PSなので、それ以上の最高出力を発生させることが出来るEVモーターを開発しているとは、さすがAudi Sport GmbHが手掛ける電気自動車ですね。
充電満タン時の航続可能距離は400kmで、急速充電気を使用し約20分で80%(320km)まで回復するということです。
アウディe-tronGTコンセプトのボディサイズですが、全長4,960mm、全幅1,960mm、全高1,380mmと意外と大きいようです。
ホイールベースも2,900mmあるので、幅はアウディA7スポーツバックよりも50mm広いですが、ほぼ同じサイズです。
アウディA7スポーツバックの詳細はこちら
アウディA7がフルモデルチェンジ!新型A7の日本仕様の価格は?
実はアウディe-tronGTコンセプトのプラットフォームは同じグループ会社であるポルシェ初のピュアEVスポーツであるポルシェTaycan(タイカン)と同じものです。
ポルシェTaycanには総出力600馬力の2基のモーターが搭載され、0-100km/hは3.5秒、200km/hは12秒とアウディe-tronGTコンセプトと同等のスペックとなっています。
つまり、プラットフォームだけではなく、パワートレインも共有されるようです。
ちなみにポルシェTaycanは2019から生産される予定とのことです。
このことからもわかるように、アウディe-tronGTコンセプトはEVのスーパースポーツセダンなのです。
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アウディe-tronGTコンセプトのエクステリア
LAモーターショー2018で公開されたアウディe-tronGTコンセプトのエクステリアを見ていきましょう。
フロントビューです。
正直電気自動車には見えない、かなりアグレッシブエクステリアですね。
個人的にはかなりカッコいいデザインだと思います。
一見するとアウディA7スポーツバックのようですが、よく見ていくと違いが見えてきます。
はい、A7スポーツバック、ドン!
新型アウディA7SBの55TFSIに試乗!乗り心地や装備を評価してみた!
まずヘッドライトですが、形こそ同じように見えますが、グラフィックがまったく違います。
縦線で構成されたA7スポーツバックのグラフィックに対して、アウディe-tronGTコンセプトのヘッドライトはさらに複雑なグラフィックになっていることがわかります。
電気自動車ということで「稲妻」をイメージしたようなヘッドライトグラフィックが非常にユニークで、他では類を見ない唯一無二のデザインになっています。
アウディのデザインアイコンである6角形のシングルフレームグリルには、EV車の特徴が表れています。
シングルフレームグリルはほとんどが塞がれていて、空気が入り込まないようになっていますね。
これはEV車が、エンジン車のように大量の空気を使い冷却する必要がないため「グリル」としての本来の役目が必要ないのです。
しかし、アウディのデザインアイコンであるシングルフレームグリル無くすことが出来ない為、「グリル」としてあるのではなく、アウディのデザインとして継承しています。
フロントバンパーも電気自動車とは思えないほどスポーティに仕上がっていますね。
バッテリーパックの冷却に必要なエアインレットはシングルフレームグリルの下に横広に配置され、縦長に配置されたサイドのエアインテイクがまるでGTカーのような雰囲気を演出しています。
本当にスポーツカーのようなバンパーが採用されているので、停まっていてもこの車が速いのがわかるようなデザインです。
やはりエンジンという概念がないためでしょうか。
アウディA7スポーツバックの画像と比べても、ボンネットがかなり低く見えますね。
さらにフロントフェンダーには手でつまみ上げたような力強いキャラクターラインが確認できます。
ボンネットのラインと相まっていて躍動感溢れるデザインになっています。
フロントからのサイドビューです。
ボンネット前方にはエアダクトが設けられ、グリル上部から流入した空気をボンネットへと誘導しているのでしょう。
この時点でエアロダイナミクスに優れていることが予想出来ます。
ルーフラインが非常に美しい弧を描き、リアへと流れています。
そのリアには力強いリアフェンダーが与えられていて、後ろ足で力を溜め込んでいるというか、今にも一気に前に飛び出しそうなデザインになっています。
フロントタイヤの後ろにはタイヤハウスで巻き起こった乱気流を流すようなアウトレットダクトが配置され、よりフロントフェンダーのワイド感を際立たせています。
ちなみに、アウディe-tronGTコンセプトの装着されているタイヤは285/30でアルミは22インチの合金ホイールです。
リアからのサイドビューです。
ドアのアウターハンドルはスムージングされ、空気抵抗に優れていることが分かります。
またドアのアウターハンドルが無いことで、未来の車のような最先端のイメージを上手に表現しています。
改めてリアから見てみると、リアフェンダーのデザインがとても個性的なのがわかりますね。
ギュッと摘み上げられたようなキャラクターラインがまるで、美しい馬の脚の隆起する筋肉のような逞しさを想像させてくれます。
ドア下部のダイナミックラインは立体的にデザインされ、フロントフェンダーのエアアウトレットからリアバンパーへまっすぐ引き上げられています。
すべてのラインがリアへ集約されているデザインはまさにスポーツカーのデザインです。
アウディのA5スポーツバックとA7スポーツバックにも共通するところですが、アウディの4ドアクーペフォルムは本当に美しいラインを描いていて、本当に惚れ惚れしますね。
リアビューです。
まるでポルシェを思わせるようなリアフェンダー、というか、ブリスターフェンダーと呼んだ方が良いくらいワイドなデザインになっています。
リアへと続いたキャラクターラインが、後ろまで回って繋がっているように見えるようなデザインにアウディの細かい拘りが垣間見れます。
本当にラインの使い方が上手いですね。
リアテールレンズのグラフィックもヘッドライトグラフィックのような同一コンセプトのデザインとなっていて、一目でアウディと分かるようなデザインになっています。
リアテールレンズを繋げることによってさらにわ「ワイド&ロー」なデザインに見えます。
リアバンパーは一見シンプルなようですが、ディフューザーはまるでGTカーのようなデザインが採用されています。
もうこの時点で普通の電気自動車じゃないです。
とにかく、このサイドの張り出し方が素晴らしいです!
コンセプトにしておくのが勿体ないほどの完成度高さですね。
アウディe-tronGTコンセプトのトレーラーでもありましたが、電動リアスポイラーが採用されていますので、おそらくA7スポーツバック同様、130km/hになると自動的に上がってくると思われます。
アウディのデザイナーが「美しいラインにはリアスポイラーが邪魔だ!」という発想で、必要な時だけ出てくるように電動のリアスポイラーにしたという話を聞いたことがあります。
それだけアウディはデザインに気を付けているんですね。
そりゃ、カッコいいわけですよ!
アウディe-tronGTコンセプトのインテリア
アウディe-tronGTコンセプトのインテリアです。
正直エクステリアの完成度に比べると少しコンセプト感がまだ残っている印象を受けます。
正式発表時にはもう少し作りこまれたインテリアになるでしょうね。
メーターナセル内には「アウディバーチャルコックピット」が収められていますが、今までとは違うデザインが採用されているようですね。
なんだか一気に電気自動車感が出ているような気がします。
ステアリングには高級スエードであるアルカンターラが巻かれ、スポーツカーのようにセンターマーカーが確認できます。
ステアリングセンターはコンセプトということもあり、変更されるでしょう。っていうか、変更されるべきです。
センターパネルにはタッチアップディスプレイのインフォテイメントシステムとエアコンの操作パネルが確認できます。
アウディA8でもタッチアップディスプレイのインフォテイメントシステムを導入しているので、この点に関しては安心して使用できると思います。
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センターコンソールにはシフトセレクターと何やらスマートフォンのようなものが確認できます。
ちょっとズームしてみましょう。
はい、ドン!
シフトセレクターは新しいデザインが採用されていますね。
「P」はボタンで選択し、「R」「N」「D」はセレクターを指で上下して選択するようです。
手前のスマートフォンのようなものには何やら「□」のホームボタンのようなものが確認できます。
おそらくインフォテイメントシステムとドライブセレクトなどの設定に使用するパッドなのではないでしょうか。
とにかく、誰かのスマートフォンでないことは確かです。
アウディe-tronGTコンセプトのシートです。
スリムでなんだか未来風のデザインですね。
シルバーの装飾には「e-tron」のロゴがあしらわれていて、特別感のあるシートになっています。
嘘でもいいからレザーシートにしていて欲しかったというのが本音ですが、何度も言うようにコンセプトなのでその辺は改善されると思います。
リアシートです。
フロントシートがリアシートにめり込んだようなデザインです。
ルーフにはパノラマサンルーフならぬ、パノラマガラスルーフがリアシートの頭上付近まで広がっているのが確認できます。
画像で見る限り、リアシートにはユニークな装備やシステムは確認できません。
今後設定されるかもしれませんね。
Mの独り言
アウディe-tronGTコンセプトですが、コンセプトモデルにしてはかなり現実的なデザインになっています。
特にエクステリアに関しては電気自動車と言わず、ガソリン車でも出してもらいたいほどカッコいいと思います。
そんな「イケてる」アウディe-tronGTコンセプトにあえて言わせて下さい。
ミラーレスじゃないのか~い!
一足先に発売されたアウディe-tronではサイドミラーに変わり、「ミラーレスカメラ」が採用されています。
近未来を演出するアウディe-tronにとってこのシステムはもはや必須アイテムだとばかり思っていましたが、アウディe-tronGTコンセプトでは従来通りのミラーが採用されています。
ここはぜひ、ミラーレスを採用してもらいたいところです!
と、鼻息荒く言いましたが、おそらく「LAモーターショー」だらかあえてミラーレスの展示車にしなかったのでしょう。
なぜなら、まだアメリカではミラーレス、つまり、「サイドカメラ」の認可が取れていないのです。
現にアメリカで発売されているアウディe-tronには「サイドカメラ」のオプションが存在していません。
アウディe-tronGTが登場するまでに認可が取れれば速攻で採用してくると思います。
アウディe-tronのミラーレスの詳細はこちら
2019年中に日本で発売されるアウディe-tronを調べてみた件!
アウディe-tronGTの日本発売が待ち遠しい!
アウディe-tronGTコンセプトの完成度の高さに驚かされました。
コンセプトというより、ワールドプレミアと言われても違和感のない作り込みをしてきてますね。
エクステリアに関しては、もうこのまま発売できる、というか、むしろして欲しいと思えるほどカッコいいデザインになっています。
フロント、サイド、リア、どこから見てもスーパーセダンという名に恥じない完成度です。
アウディe-tronGTコンセプトのパワートレインもガソリン車を凌ぐほどのスペックを叩き出し、EVモーターならではの大トルクで車を加速させていくことでしょう。
パワートレインのスペックをまとめてみましょう。
- 590 PS(582 HP)のスペックを誇る2基モーターシステム+クワトロシステム
- 1回の充電で248マイル(400 km)の走行が可能なバッテリーユニット
- 約3.5秒で0-62マイル(0-100km/h)に到達する加速力
- トップスピードは149 mph(240 km / h)でリミッター制御
本当に素晴らしいスペックです!
走行中に排気音などないのがちょっと寂しいですが、これだけ速ければ関係ないのかもしれません。
悔しいことに、日本の電気スタンドのインフラと電圧の関係で、まだアウディe-tronGTの発売時期見えないところがありますが、アウディe-tronが先だって日本での発売を開始すれば、何かしら動き出すと思われます。
とにかく、初めて電気自動車でワクワクする車を見ることが出来たような気がします。
アウディe-tronコンセプトは、一日も早く「コンセプト」ではなく、「アウディe-tronGT」としての登場が楽しみな車の一つです。
この後もアウディe-tronGTの情報から目が離せませんね。
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