トヨタの新型「スープラ」の復活が話題になっているので「スープラ」歴史をまとめてみた件!

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2019年、トヨタから伝説のスポーツカーが復活します。

一足先に見事に復活を果たしたトヨタ86同様、多くのスポーツカーファンを魅了したトヨタのフラッグシップスポーツカー「スープラ」です。

1990年代後半に起こった「日本車のスポーツカーブーム」ど真ん中のわたしにとっても、このスープラの復活は非常に嬉しいものであることは間違いありません。

当時のスープラのライバルには、和製フェラーリと言われた「ホンダ NSX」、公道最速と言われた「日産 スカイラインGT-R」、究極のコーナリングマシーンとの呼び声が高かった「マツダ RX-7」などがありました。

どのモデルも21世紀に入り、地球温暖化を背景とした排出ガス規制などの障壁にぶつかり、ひとつ、またひとつとその姿を消してしまいました。

トヨタスープラも2002年に最終モデルが発売され、惜しまれつつその歴史に幕を下した日本を代表するスポーツカーです。

そして時は2019年、クルマ離れが囁かれているそんな時代に、トヨタスープラの17年ぶりとなる復活は、当時「ドリフト小僧」や「カーゲーム好き」だった世代にとっては、胸熱な話題ではないでしょうか。

そんなトヨタスープラの復活を勝手に祝い、新型トヨタスープラを更に魅力的な車として見る為に、トヨタスープラと言う車の歴史を紐解いてみたいと思います。(笑)

目次

初代スープラ(A40型/50型)

初代スープラは、1978年に当時のトヨタから販売されていたスポーツカーである「セリカ」の上位機種として発売されたため、「スープラ」という名称ではなく、「セリカXX」という名前で呼ばれていました。

えっ?セリカXXっていう車ならスープラじゃないじゃん!

ですよね!

実はトヨタはセリカXXの「X」が英語圏、特にアメリカでは映画の成人指定を意味する文字となっていた為、その表記を避ける為に「スープラ」として海外に輸出された経緯があるのです。

例えると、「大人のセリカ」「チョメチョメなセリカ」「ピーッなセリカ」といった何やら「セリカ」という言葉に誤解を招くような表現になってしまうというわけです。

ということで、セリカXXは日本ではまだ「初代スープラ」ではないのですが、グローバルな目線で見ると「初代スープラ」となります。

さすがにセリカの上位機種というだけあって見た目はそっくりですが、良く見ると違いも確認できます。

まず、4灯式のヘッドライトユニットは同じですが、4気筒モデルの「セリカ」に対して、6気筒エンジンを搭載するスープラのフロントノーズは延長され、グリルにはToyotaの「T」をあしらった「T」型のガードが採用されています。

初代スープラのドア後方のBピラーはワイドになり、さらにグロスブラックのパネルで装飾されるなど、ボディ剛性だけではなくエクステリアの差別化も図られています。

一番大きく違うのは、やはりテール部で、トランクのあるクーペボディのセリカに対して、スープラはハッチバックとなっていて、現代へ通ずるスポーティなデザインが印象的です。

スープラは、セリカよりもボディ同色パーツ、メッキパーツなどを多く採用し、インテリアも「えんじ色」のインテリアカラーを取り入れるなどハイカラでラグジュアリーなスペシャリティカーとして発売されました。

さらにトヨタを代表する日本専用車であるクラウンと共に、トヨタで初めてオートマチックトランスミッションを選択可能な車として先進性と高級感を売りにしていたようです。

ちなみに「サンルーフ」もオプションとしてあったそうですが、折り畳みハンドルを回転させることによって開閉する手動式だったようですね。

今の時代がどれ程恵まれているかを痛感するような事実ですね。

1978年から1980年7月までに生産されたモデルはA40型と呼ばれ、パワートレインは2.0リッター直6エンジンと2.6リッター直6エンジンの2タイプ。

1980年8月からはA50型へとマイナーチェンジを果たします。

主な変更点は、リアサスペンションをRV車などで採用されるリジット式サスペンションから、現代の車のような独立懸架型のサスペンションを採用したこと。

そしてパワートレインをより強力な2.8リッター直6エンジンにしたことです。

しかし、このA50型はたった7ヶ月しか販売されず、1981年7月に2代目へとバトンタッチが行われました。

2代目スープラ(A60型)

1981年7月に販売がスタートした2代目スープラ、(このとき日本ではまだセリカXX)ですが、初代のような高級志向のスポーツカーの路線ではなく、思いっきりスポーツ路線へと舵を切ることとなりました。

その背景には、これまたトヨタの高級スポーツカーである「ソアラ」の存在がありました。

1981年2月、2代目スープラより早く発売されたソアラのコンセプトは「トヨタの新しいイメージリーダー」で、ベンチマークとされた車は「メルセデスベンツ SLクラス」や「BMW 6シリーズ」といったヨーロッパの高級車ということもあり、最初っから「ラグジュアリースポーツカー」として世に送り出されました。

その豪華な装備とスペックから「デートカー」として人気を博していて、ライバルは運転席からなぜか助手席のシートが倒せるホンダのプレリュードでした。

その当時、あくまでセリカの上位機種であるセリカXXであるスープラは当然「最高級車」である必要がなくなったわけです。

スープラとソアラのエクステリアを見比べてみても、低いノーズやハッチバックスタイルのボディを持つスープラの方が断然スポーティな印象を受けます。

さらにスポーティになったスープラは、ヘッドライトにリトラクタブルヘッドライトを採用、その甲斐あって空気抵抗をソアラよりも下げることが出来、最高速度200km/hオーバーを達成するなど走行性能も本物でした。

スープラが高級志向ではなくなったとはいえ、ソアラでも採用されていたデジタルメーターをはじめ、オートドライブ、スピードアラーム(100km/h超えると「キンコン、キンコン」となるやつ)など当時としては充実した装備が用意されていたようです。

ちなみに、サンルーフは手動式から電動式へと無事変更されたようです。

パワートレインは2.0リッターSOHC直6エンジンと2.8リッターDOHC直6エンジンの2タイプが用意され、1982年2月には2.0リッターSOHCターボエンジンが追加されました。

半年後の1982年8月には、2.0リッター直6DOHCエンジンの2000GTが追加されています。

2.8リッター直6DOHCエンジンを搭載する2800GTと2.0リッター直6DOHCエンジンを搭載する2000GTのトランスミッションはマニュアルミッションのみとなっていて、スポーツグレードとしての位置づけだったようです。

1983年8月にマイナーチェンジが行われ、バンパーやテールレンズのエクステリアのデザイン変更と2800GTはエンジンの圧縮比アップによる出力向上がなされました。

そして1986年に2代目スープラは販売を終了し、フルモデルチェンジを迎えます。

国内では初代の3代目スープラ(A70型)

1986年、3代目スープラが発売されますが、これを機に日本ではセリカから完全独立し、北米仕様と同じ「スープラ」という名称で発売されます。

事実上、この3代目スープラが日本で初めてのスープラとなります。

トヨタファンなら一度は耳にしたことがあるであろう名車、「トヨタ 2000GT」にちなんで「TOYOTA 3000GT」というキャッチフレーズで販売されたスープラのプラットフォームは、ソアラと共通のものとし、搭載されるエンジンは引き続き2リッターエンジンを中心としたラインアップに初めてターボチャージャーが採用されました。

スープラのトップモデルには、最高出力230PSを誇る3.0リッター直6ターボエンジンが搭載されています。

「脱セリカ」と謳ったわりにはキープコンセプトなボディシルエットが気になるところですが、エアロダイナミクスを取り入れたバンパーデザインやリアスポイラーがスポーティな印象を与えてくれます。

画像だけ見るとマツダロードスターくらいのコンパクトなサイズかと思ったら、全長4,620mm、全幅1,745mmと意外とボディサイズは大きかったんですね。

ターボチャージャーの採用が追い風となり、これからパワーチューニングが盛んになっていきます。

1988年8月に行われたマイナーチェンジでは、2.0リッターのツインターボエンジンが185PSから210PSに、さらに3.0リッターのターボエンジンは230PSから240PSへとそれぞれパワーアップが施されています。

1990年に行われた最後のマイナーチェンジでは、3.0リッターターボエンジンを廃止し、代わりにマークⅡのスポーツグレードに搭載されていた2.5リッターツインターボエンジンをファインチューンしたエンジンを採用。

最高出力280PSを引き出すスポーツエンジンの足回りには、ドイツのサスペンションメーカーである「ビルシュタイン社」と共同で開発した専用のダンパーを使用、もちろん、これに伴いタイヤのインチアップも図られ、スポーツカーとしての性能を大幅に向上させることに成功し、かなり本格的な仕様へと変更されています。

この最終モデルの「2.5GTツインターボ」はトヨタ初の280PSエンジンと5速マニュアルミッション車となりました。

この3代目スープラから一気にスポーツカーの要素が強くなってきましたね。

グループA(量産車部門)のレースにも参戦するなど、会社を上げてスポーツカーに取り組んでい事がわかります。

そして1993年、いよいよ4代目スープラへとバトンタッチします。

4代目スープラ(A80型)

1993年5月、3代目からスポーツ色が強めになっていたこともあり、4代目スープラでは「THE SPORTS OF TOYOTA」というキャッチコピーで販売が開始されました。

シャシーは3代目に引き続き、トヨタのラグジュアリークーペとして確固たる地位を築いていたソアラのものに、全長が短くなるスープラのオーバーハングと重量配分を考慮し、ガソリンタンクをトランク下へと移設されたものが採用されました。

3代目で採用されていたリトラクタブルヘッドライトは、2機のプロジェクター式ヘッドライトを搭載した固定式に変更、全幅は1,810mmのワイドボディと全体的に丸みを帯びたデザイン相まって非常に個性的なデザインが採用されています。

いかにもスポーツカーといったフォルムではなく、どちらかと言うとちょっとメタボなクーペと言った印象ですね。

特にリアビューでは、横に4灯並べられたライトがとてもユニークでしたね。

丸みのあるリアバンパーの形状が、「ほっぺを手でブチューとつぶしたような顔」と言われていたようですが、わたしは好きでしたよ。

先代と比べてもかなり肉付きが良くなった印象ですね。

わたしにとってこの4代目スープラこそがスープラで、当時どのカーゲームをしても最高ランクに位置していた最速の車でした。

特にこの4代目スープラで好きだったのはスープラのインテリア!

計器類からボタンに至るまで、全てのものがドライバー側へと向けられた「ドライバーオリエンテッド」の運転席はもはや「コックピット」と呼ぶ方がふさわしいデザインだったからです。

このまるで戦闘機のようなコックピットが見たくて、駐車してあるスープラを見つけると窓越しにコックピットを眺めていた少年時代のわたしですが、今思うと、とんでもない迷惑行為をしていたのですね。(汗)

当時のオーナーさん、悪気はなかったので許してください。

話しをもとに戻しましょう。

そんな4代目スープラのパワートレインの排気量は3リッターエンジンだけに絞られ、225PSの3リッターNAエンジンと280PSの3リッターツインターボエンジンの2タイプが用意されました。

この当時の国産車は「280PS縛り」という280PS以上のエンジンを製造、搭載してはならないとする謎の規制(あくまで法律ではなく規制)があり、どのメーカーのフラッグシップスポーツカーも「280PS」と記載されていました。

実際、シャーシダイナモで計測すると280PS以上出ていたらしいですが、まぁ、スポーツカーあるあるってやつで暗黙の了解だったということしょうね。

この「280PS縛り」は輸入車には適応されないことから、日本車の国際競争が不利になるという観点から撤廃が要請され、2004年に交通事故による死亡者数の減少を受けて正式に撤廃されているので、現在はどれだけ馬力を出そうがOKとなっています。

4代目スープラに搭載されたトランスミッションも国内初となる6速マニュアルトランスミッションで、ドイツのトランスミッションメーカーである「ゲドラグ社」と共同開発したものを採用するなど、非常に手の込んだ内容となっていました。

1994年8月に一度目のマイナーチェンジが行われ、1997年8月に最後のマイナーチェンジが行われました。

最後のマイナーチェンジでは同じエンジンを搭載していた「アリスト」のフルモデルチェンジに伴い、スープラのエンジンも同様に「VVT-i(トヨタ独自の可変バルブタイミング・リフト機構の名称)」が採用され、最大トルクが44kgから46kgへと向上が図られています。

2002年8月、「平成12年度自動車排出ガス規制」に対応できず、トヨタスープラは生産中止となりました。

世界的大人気カーアクションムービーである「ワイルドスピード」にも登場し、日本のみならずアメリカでも「スープラ」の知名度は凄まじいものがあります。

スープラに搭載されていた3リッターツインターボエンジンにビッグタービンや大容量のインタークーラーなどの改造を施し、最高出力1000PSを超えるモンスターマシーンを作るショップがあったりと、スープラの話題は尽きません。

ちなみに、この4代目スープラのデザインを手がけた日本人デザイナーの鹿戸治氏ですが、2002年から2010に亘って販売された2代目ダッチ「バイパー」をデザインをされた方です。

言われてみれば、楕円形のヘッドライト、丸みを帯びたボディライン、ロングノーズなど、どことなくスープラの雰囲気を持っている様な気がします。

ある意味スープラのデザインはスーパーカーにも通ずるところがあったのかもしれませんね。

5代目スープラ(A90型)

そして時は2019年、2002年に姿を消したトヨタスープラが帰ってきます。

17年ぶりとなるスープラの復活に世界中から注目が集まっていますね。

特に驚かされたのは、あのドイツのプレミアムブランドの一つであるBMWと共同開発であるということ!

BMWの新型Z4をベースとして新型スープラを開発するというものでした。

BMWと言えば「シルキーシックス」と呼ばれた直列6気筒エンジンが有名ですが、スープラにもそのエンジンの搭載がほぼ確定しているようですね。

一足先に発表されたBMWの新型Z4と違い、CAFE(メーカー全車種の平均燃費)を気にせず開発したスープラの方が、断然刺激的なエンジンになっているのではという噂になっています。

現段階ではまだ新型スープラの情報は開示されていませんが、これから徐々に開示されていくことでしょう。

BMW新型Z4の詳細はこちら

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まとめ

国産スポーツカーの復活のニュースは、車好きにとって非常に喜ばしいものですね。

日産GT-R、ホンダNSXに続き、世界に誇れるスポーツカーがまた一つ復活を遂げます。

一番最初テレビゲームでスープラと言う車の存在を知ったわたしは、マツダRX-7とホンダNSXのような地を這うようなデザインのスポーツカーではないのに、バカッ速なスペックを持つスープラがいつも不思議でたまりませんでした。

しかも馬力はどの車も全部「280PS」となっているのにスープラだけやたらと速いんです!

成長するに従い「トルク」の意味が理解できるようになると、スープラの異常なトルク数値見てあの鬼のような速さに納得がいくようになりました。

いつか「46kg」というラリーカー並みの大トルクを発生させる3リッターツインターボエンジンに乗りたいと思っていた少年時代が懐かしいです。

そんな憧れていた車がついに復活するんです。

しかし、「経済力」という純粋な少年の心にはなかった高い高い障壁があるんですよね。(涙)

たぶん買えないけど、スープラの復活は喜ばしい事です。

いつかきっとこの手でステアリングを握って運転する日を夢見て、日々仕事を頑張っていきたいと思います。(笑)

と、わたしのくだらない話は置いておいて、純国産開発とまではいかなかったようですが、良いものは良いと前向きにとらえたトヨタの姿勢は評価できると思います。

BMWのシャシとエンジンをどれだけ「トヨタ風」にするのか楽しみですね。

トヨタスープラ、期待しています。

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この記事を書いた人

クルマ好きが高じて自動車業界に就職。国産ディーラーと高級輸入車ディーラーの営業マンとして15年以上従事し、合計1000台以上の新車・中古車の販売に携わりました。クルマが大好きな自動車営業マンが大好きな自動車に関するのお役立ち情報や最新モデルの情報を独自の観点から発信しています。

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