世界中で話題となっているロシアのウクライナへの軍事侵攻ですが、自動車業界にも甚大な影響を与えています。
ドイツの自動車メーカーであるフォルクスワーゲン(以下:VW)は、ドイツにある電気自動車製造工場「ツヴィッカウ工場」と「ドレスデン工場」の稼働を中止すると発表しました。
製造を中止した工場では、フォルクスワーゲングループである「VW」「アウディ」「キュプラ」の電気自動車を製造しています。
今回は、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が、VWグループのEV製造を中止させた理由と今後の展開を考えてみたいと思います。
ソース:carscoops
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VWグループがEV製造を中止した理由とは?
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によってVWグループがEV製造を中止した理由は、ウクライナ西部で生産されていた電気ケーブルハーネスが納入されなくなったからです。
VWグループの電気自動車を製造するためには、40000以上のサプライヤーによる部品の納入が必要になります。
この40000以上のサプライヤーの中に、ウクライナ西部で電気ケーブルハーネスを製造するサプライヤーが含まれているのです。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって、ウクライナでは通常の生活を営む事すら困難な状況にあります。
とても電気ケーブルハーネスを製造する余裕はありません。
全て電気で動く電気自動車には電気ケーブルハーネスは必要不可欠です。
そんな必要不可欠は部品無くしては、電気自動車の生産は不可能です。
よって、VWグループは2022年3月1日~4日までの間、ドイツにある2つの電気自動車製造工場の稼働を中止すると発表しました。
工場では、VWの「ID.3」「ID.4」「ID.5」、アウディ「Q4e-tron」、キャプラ「Born EV」が製造が行われています。
ちなみに、2つの工場で1日に製造されるEVは約1200台です。
VWグループにとって、この2つの工場はヨーロッパで最も重要なEV製造拠点なのです。
VWグループが2つの重要拠点を稼働中止にするという決断を発表した背景には、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を非難する意図もあるのかもしれません。
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VWグループのEV製造の今後は?
VWグループのEV製造の今後ですが、大幅にEV製造が遅れる可能性があります。
ウクライナ西部のサプライヤーから仕入れている電気ケーブルハーネスを、別のサプライヤーから仕入れれば良いという単純なことではありません。
メーカーは数多あるサプライヤーから「耐久性」「電送損失率」「コスト」「会社の規模」などの様々な基準に合格したサプライヤーのみと契約を行います。
これから別のサプライヤーと契約する準備を始めても、部品納入には最低でも数カ月はかかるでしょう。
つまり、納入が遅れた分だけVWグループのEV製造も遅れてしまうというわけです。
個人的な考えですが、今回のVWグループによる工場の稼働中止の発表は、間接的にロシアのウクライナへの軍事侵攻を非難する意図があるのではないかと思っています。
VWグループは世界有数の大企業であり、その影響力は絶大です。
そんな大企業が、ウクライナにあるサプライヤーから部品納入が行われないことを理由に工場の稼働中止を発表することによって、ロシアによる非道を非難しているように思えます。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く限り、VWグループのEV製造は大幅に遅れる可能性が濃厚です。
とにかく、ロシアの軍事侵攻が一刻も早く終わり、ウクライナに再び平和な日常が戻ることを切に願うほかありません。
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