【試乗レビュー】アウディRSe-tronGTインプレ&評価!5つの気になる点とは?

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アウディの電気自動車であるRSe-tronGTに試乗したのでインプレッションをしたいと思います。

アウディRSe-tronGTはポルシェと共同開発したJ1プラットフォームの電気自動車です。

兄弟車であるポルシェタイカンよりもアウディRSe-tronGTのエクステリアの方が評判が良いようですね。

今回はお世話になっているアウディディーラーさんのご厚意で試乗会にお招きいただきました。

それでは早速アウディの電気自動車最速モデル「RSe-tronGT」のインプレと5つの気になる点を紹介します。

試乗記!

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目次

アウディRSe-tronGTの試乗インプレ

アウディRSe-tronGTを目の前にすると、まるでコンセプトカーのようなエクステリアに感動を覚えます。

早速コックピットに乗り込みます。

コックピットはいかにも電気自動車という感じではなく、あくまで一般的な車とあまり変わらない印象です。

アクセル周りに関しては「気になる点」でご紹介します。

シートポジションを合わせたらアウディRSe-tronGTの電源をオンにします。

「ブォーン」という何とも表現し難い電子音が車内に響きます。

これは「e-tronスポーツサウンド」というオプションで、RSe-tronGTの先進性を音で表現したギミックのようです。

シフターは前後にスライドさせるものを採用しており、スイッチを手前に引けば「D」、奥に押し込むと「N」→「R」となります。

「P」ポジションはシフターの上にある「(℗)」のボタンを押すだけです。

「(℗)」を押すとサイドブレーキも同時に作動します。

シフトを「D」にスライドさせて出発です。

アクセルを少し踏んだだけでもこのRSe-tronGTがとんでもなく速いことがわかります。

モーター特有の強大なトルクがアクセルペダルから伝わってくるようです。

路上に出てアクセルを開けるとガソリン車とは全く違った加速が出迎えてくれました。

速い!とにかくスムーズで速い!

私の貧弱な語彙力では到底表現のしようがない独特の加速フィーリングがそこにはあります。

アクセルを緩めても強い回生ブレーキによる減速はなく、ごくごく普通の車のように運転する事が出来ます。

ブレーキフィーリングはまさにスポーツカーに乗っていると思わせてくれる程の制動力と踏み心地に安心感を感じます。

もう一段階アクセルを踏み込むとモーターは瞬間的に猛烈なトルクを発生させRSe-tronGTをあっという間に加速させます。

アクセルレスポンスはとてもダイレクトで、加速にラグがまったく感じられないので気持ちよく運転できます。

もちろんギアの変速ショックなど皆無なのでスムーズ極まりない走りで、どこまででも加速し続けるフィーリングが気持ちいいです。

アウディRSe-tronGTからは大きいポルシェ911に乗っているような高いボディ剛性を感じる事が出来るので本当に安定感があります。

さて、アウディRSe-tronGTの売りの一つと言えば、0-100km/h到達が3.3秒で完結するという加速力です。

安全な場所に移動し、その片鱗を少しだけ体感させてもらいました。

RSe-tronGTを停止させ、「ドライブセレクト」でスポーツモードにあたる「Dynamic」に設定します。

心なしか「e-tronスポーツサウンド」の音が大きくなった気がします。

これで準備完了です。

アクセルを開放します!

「痛っ!!」

猛烈な加速Gのせいで頭が持っていかれて後頭部を盛大にヘッドレストへ叩きつけられました。

しっかりと頭をヘッドレストに押さえつけてもう一度挑戦です。

アクセルを開放!!

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

息をするのも忘れる程の勢いでRSe-tronGTは加速します。

まさに脳みそが置いていかれる感覚に思わず笑ってしまいました。

人間ってわけが理解できない事が起きたら笑うんだなぁと思った瞬間です。

ちなみに、RSe-tronGTをフル加速させたら取り付けてあったドライブレコーダーが「ピピッ」と音を出していました。

担当者曰く、RSe-tronGTの加速Gを事故の衝撃と勘違いしてイベントとして記憶しているらしいです。

「RSe-tronGTのフル加速G=事故の衝撃G」ということでしょうかね。(笑)

「Dynamic」にすると「e-tronスポーツサウンド」の音が変化しているようです。

「ブーン」とも「ボーン」とも「クォーン」とも表現し難い、シンセサイザーの電子和音みたいな音が耳に入ってきますが、決して不快な音ではないですね。

それにしても恐れ入りました!!

とにかく、RSe-tronGTの加速を味わったらメーカーが「ガソリン車を無くして電気自動車にする」って言った意味がわかります。

ちなみに、バカみたいに速いんですけど決して怖くないです。

ボディ剛性や足回りの完成度が高く、暴力的な加速力でも安心して運転できます。

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RSe-tronGTにはエアサスペンションが標準装備されているので乗り心地はマイルドです。

「Dynamic」にすると車高が低くなり少しだけサスペンションが硬くなりますが、気になる程の硬さではないです。

電気自動車って無音のイメージですけど、「e-tronスポーツサウンド」の奏でる疑似エンジン音?というか電子音のおかげで電気自動車に乗っているのを忘れていました。

おそらくハイパフォーマンスなガソリン車から乗り換える人でも違和感なく乗ることが出来ると思います。

アウディRSe-tronGTのインプレッションをまとめます。

・コンセプトデザインそのままの斬新なエクステリア
・電気自動車を思わせないインテリア
・ポルシェ譲りの高いボディ剛性
・しなやかなサスペンション
・ダイレクトなアクセルフィーリング
・想像の2段階上をいく加速力

本当に異次元の加速性能を体感させてもらい大満足な試乗でした。

アウディRSe-tronGTの日本販売価格は17,990,000円と高額に設定されています。

しかし、3000万円するスーパーパフォーマンスカー「アウディR8」の0-100km/h加速3.1秒に匹敵する加速力を手に入れられると考えればちょっとはお買い得な感じがしますよね。

とにかく、アウディRSe-tronGTはガソリンエンジン推しの私でも「電気自動車ありだな!」と思ってしまう程乗っていてワクワクする車でした。

アウディRSe-tronGTはマジで素晴らしい車です!

試乗記!

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アウディRSe-tronGTの気になる点とは?

アウディRSe-tronGTはとても素晴らしい車ですが、気になる点もありました。

もちろん個人差はあると思いますが、アウディRSe-tronGTに試乗して気付いた点や気になった点を紹介します。

気になる点①アクセルペダルとブレーキペダルの位置

まずドライビングポジションを調整しようとアクセル周りに足を伸ばしてみると・・・・・あれ?なんか違和感があるぞ!!となりました。

足元を見てみるとブレーキペダルを踏んでいるつもりなのにアクセルペダルを踏んでいました。

アウディRSe-tronGTのアクセルペダルとブレーキペダルが左(車両の内側)に寄せて設置されているのです。

なんでこんな左に寄せてあるんだろうと思ったら、アクセルペダルの横に何やら不思議な出っ張りがありました。

この出っ張りがあるせいで、通常のパダルの位置から5cmくらい左(内側)に寄せてあるわけです。

こんな邪魔になるものを運転席に付けるとは!と思いましたが、そもそもドイツ本国では左ハンドルで右は助手席になるわけです。

ちなみに左の席(日本仕様では助手席)の足元は広々としており何の不満もありませんでした。

右ハンドルと左ハンドルの弊害を垣間見ることが出来ましたね。

しかしながら、一度乗ってしまえば運転に支障が出るほどのものではなかったです。

アウディRSe-tronGTのアクセルペダルとブレーキペダルの位置に慣れれば違和感はなくなるかもしれません。

気になる点②ブレーキから伝わってくる謎の振動

アウディRSe-tronGTに試乗中に信号で停車しているときに気付いた点です。

停車中はブレーキを踏みっぱなしになるのですが、ブレーキペダルからブーンという謎の振動が私の右足に伝わっていました。

たとえるなら電化製品が稼働しているときに発するような振動がずっとブレーキペダルから伝わってくるわけです。

おそらくモーターの振動だとは思いますが、そもそも停車しているのでモーターは動いていないはずでは?と思っていました。

担当者に聞いたところ、モーターとドライブシャフトが同期式になっているので停車中でもモーターの振動が伝わっているのでは?とのこと。

同期式とはモーターとドライブシャフトを磁石によってシンクロさせることで、モーターの力を余すことなくドライブシャフトに伝えるシステムのことです。

つまり、いつでも発車出来る様にモーターには電気が供給されて回っている状態になっている為、ブレーキに振動が伝わっているということでしょう。

なるほどね!と思いましたが、音もなくただブレーキが振動しているのは不思議な感覚になるので好き嫌いはあるかと思います。

ブレーキを置くまで踏み込めば「ブレーキホールド(ブレーキ保持機能)」が作動するので、ブレーキから足を離しても停車状態を維持できます。

RSe-tronGTが静かすぎるからこそ、小さな振動でさえも気になってしまうのでしょうね。

気になる点③534km走らない

アウディRSe-tronGTのカタログによると534km走行可能と記載されていますが、正直なところ走らないでしょう。

もちろんカタログ値は一定の条件下で測定されているので再現性は無理・・・・というか難しいと思います。

ではアウディRSe-tronGTが実際どのくらいの距離を走れるのかというと、400km前後です。

試乗車の航続距離ですが、バッテリー100%で447kmと表示されています。

ところがエアコンをつけると航続距離が396kmに落ちました!

エアコンをつけずに運転できる時期は限られているので、アウディRSe-tronGTの航続距離は最大で400kmと思っておいた方が無難です。

アウディRSe-tronGTの能力を高く見せたいのはわかりますが、カタログには理論上の数値と正直な実走値の両方を記載してもらいたいですね。

航続距離500kmなんて絶対無理でしょ!

気になる点④センターミラーがカメラじゃない

昨今の国産車ではセンターミラー(ルームミラー)がカメラ式のものが流行っています。

リアガラスに取り付けられたカメラの映像をセンターミラーに映し出しているので、リアシートなどの邪魔なものが映らないのが特徴です。

アウディRSe-tronGTの日本販売価格は約1800万円ですが、センターミラーがカメラ式ではなく普通の鏡になっています。

さらにセンターミラー越しに見えるのは、リアシートと猫の額ほどの風景です。

もはやセンターミラーが要らないのではないかと思ってしまう程の狭いリアガラス越しの風景からは車が後ろにいる程度の情報しか得ることが出来ません。

狭くて小さいリアガラスだからこそ、リアカメラの映像をセンターミラーに投影した方が良いはずですが、そうはなっていません。

電気自動車という近未来的なモビリティである一方で、随分アナログなところも混在するのがアウディRSe-tronGTという車なのでしょう。

「そもその後ろなんて見ないよ!」というドライバーは気にしないでしょうが、ビビリな私はセンターミラーの視界の悪さが気になりました。

プレミアムブランドと謳っているのなら、センターミラーのカメラ化の導入を前向きに検討してもらいたいと思いました。

気になる点⑤運転席ドアのスイッチ類が遠い

RSe-tronGTの運転席のドアには「ドアミラーのコントローラー」「シートメモリーボタン」「パワーウィンドウスイッチ」「トランクオープナー」が配置されていますが、これらのスイッチ類がやたらと遠いんです。

何も考えずにドアアームレストに腕を置くと、ドアグリップ付近に手がきます。

肘を伸ばすと「パワーウィンドウスイッチ」に届きますが、ちょっと遠い感じがします。

そのさらに先にある「ドアミラーのコントローラー」を触ろうとすると、さらに手を伸ばさなければならないので体を前に近づけないと手が届きません!

「シートメモリーボタン」も座ったままだとギリギリ届くか届かないかの位置に設置されています。

「トランクオープナー」は停車中にしか扱わないと思いますが、これもちょっと遠いですね。

「パワーウィンドウスイッチ」に関しては使用頻度が多いのでもう少し手前でも良かったと思いますが、そうできなかった理由があるのでしょう。

これも慣れれば問題ないのかなぁ?

アウディRSe-tronGTの評価

アウディRSe-tronGTの評価ですが、「買えるなら、買いたい!」です。

電気自動車という新しいモビリティの可能性を示してくれる一台だと思います。

電気自動車を食わず嫌いしていたというか、心のどこかで舐めていたというか、いい意味で裏切られた気分です。

正直な話、アウディRSe-tronGTに試乗後にガソリン車を乗ると、アクセルを踏んでもラグがあり加速が重ったるく感じます。

RSe-tronGTのアクセルレスポンスはスーパーパフォーマンスカー並みの反応の良さです。

反応も勿論ですが、モーター特有の瞬間的に発生させる大トルクが何とも言えない気持ちよさを与えてくれます。

5つの気になる点もありますが、慣れや使い方を工夫すれば問題ないと思います。

まぁバッテリー容量に関しては色々と思うところもありますが、これだけのハイパフォーマンスな走りが出来るのであれば致し方なしと諦めもつくでしょう。

出来ることなら満充電で800kmくらい走ることが出来れば文句なしなのですが・・・・・。

とにかくアウディRSe-tronGTは想像の斜め上をいく未来の電気自動車でした。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

クルマ好きが高じて自動車業界に就職。国産ディーラーと高級輸入車ディーラーの営業マンとして15年以上従事し、合計1000台以上の新車・中古車の販売に携わりました。クルマが大好きな自動車営業マンが大好きな自動車に関するのお役立ち情報や最新モデルの情報を独自の観点から発信しています。

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