【試乗レビュー】アウディTTクーペ「40TFSI」前輪駆動モデルの気になる3つの点とは?

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アウディの2ドアスポーツカークーペである「TT 40TFSI」の試乗インプレッションです。

アウディTTクーペには前輪駆動モデルである「40TFSI」と、四輪駆動モデルである「45TFSIクワトロ」の2グレード構成です。

アウディTTクーペには、さらに高性能モデルとして「TTS」、そして、TTクーペ最速モデルである「TTRS」がラインアップしています。

アウディTTクーペですが、残念ながら現行の3代目TTクーペを最後にアウディのラインアップから姿を消すことが決まっています。

今回は、最終型のTTクーペの前輪駆動モデル「40TFSI」の試乗インプレッションと3つの気になる点を紹介します。

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目次

アウディTTクーペ「40TFSI」スペック

アウディTTクーペの前輪駆動モデル「40TFSI」のスペックを紹介します。

アウディTTクーペ「40TFSI」スペック
全長×全幅×全高 4190mm×1830mm×1380mm
重量 1300kg
エンジン 1984cc直4ターボ
最高出力(kW(PS)/rmp) 145(197)/4350-6000
最大トルク(Nm(kgm)/rpm) 320(32.6)/1500-4300
トランスミッション 7速デュアルクラッチ
車両価格 5,100,000円

今回試乗させてもらったアウディTTクーペ「40TFSI」ですが、オプションの「コンフォートパッケージ」と「Slineパッケージ」が装着された車両です。

それぞれ「コンフォートパッケージ」が26万円、「Slineパッケージ」が71万円のオプション価格になっています。

アウディTTクーペの四輪駆動モデル「45TFSIクワトロ」の試乗ではとても楽しませてもらったので、「40TFSI」がどのように仕上がりになっているのか楽しみです。

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アウディTTクーペ「40TFSI」試乗インプレッション

アウディTT40TFSI

アウディTTクーペ「40TFSI」のエクステリアですが、やっぱりカッコいいですね。

「Slineパッケージ」装着車なので、専用のサイドエアインテイクブレードやサイドスカートなどスポーツカーの雰囲気抜群といった印象です。

上位グレードの「45TFSIクワトロ」との見た目の違いは、グリルとバックプレートにある「quattro」のバッチのみで、あとはほとんど見分けが付きません。

アウディTT40TFSIインテリア

アウディTTクーペ「40TFSI」のインテリアですが、「これぞスポーツカーだ!」と言わんばかりのストイックなインテリアが出迎えてくれます。

アウディTT40TFSIメーター

無駄なものが一切ないコックピットの正面には、12.3インチのデジタルメーターが鎮座しており、必要な情報は全てドライバーの目の前で完結されます。

アウディTT40TFSIエアコン

エアコンのコントロールユニットをエアコンのエアベントと一体化する事で最小限のスペースとボタンで仕上げられています。

アウディTTクーペ「40TFSI」のダッシュボードには、ナビゲーションはおろか、オーディオを表示するパネルすらありません。

全てドライバーの目の前のデジタルメーター「バーチャルコックピット」に表示されます。

アウディTT40TFSIシート

アウディTTクーペ「40TFSI」のシートはヘッドレストと一体型のスポーツシートが採用され、スポーツカーの世界観が再現されています。

早速エンジンをかけてみましょう。

スタートの始動音はとても静かです。

「D」レンジに入れてアクセルを入力すると、非常に素直に加速していきます。

スタート時には静かだったエンジン音は回転数の上昇と一緒に軽快な音を車内に響かせ始めました。

2.0ℓ直4ターボエンジンが発生する豊かなトルクによって、ストレスなく加速していくTTクーペはやはり楽しい車です。

「Slineパッケージ」によって「Slineスポーツサスペンション」と「245/40R18のタイヤ+18インチアルミホイール」で武装された試乗車の乗り心地は硬いです。

とは言え、ガチガチに固められているという印象でなく、しっかりと路面をとらえる事が出来る硬さに仕上がっています。

コアなスポーツカーが好きなユーザーさんならもう少し硬くても良いと思うかもしれないくらいマイルドな印象を受けました。

アウディTTクーペの硬めの足のおかげでストレスなくコーナーを曲がる事が出来ます。

ちなみに、ロードノイズは結構大きめです。

よって、騒音が気になるユーザーさんは、オプションのスピーカー「Bang&Olufsenサウンドシステム(13万円)」を追加してお気に入りの音楽を爆音にして走ることをお勧めします。

次にアウディTTクーペ「40TFSI」のドライブモードを「S(スポーツ)」に切り替えて走ってみます。

心なしか車内に響くエンジン音が大きくなったような気がします。

「S」を選択することでギアのシフトアップポイントが引き上げられ、軽快なアクセルレスポンスとダイレクトな加速感がより一層ドライバーを楽しませてくれます。

加速に関しては、決して爆発的に速いという感覚ではなく、誰が運転しても安心してアクセルを踏める気持ちの良い加速力といった印象です。

アウターパネルのほとんどをアルミ鋼板にして軽量化されているアウディTTクーペのハンドリングは軽快で、思い通りのラインを描いてくれます。

まるで自分の運転が上手くなったような感覚にさせられるので、調子に乗らないように注意が必要ですね。

ブレーキフィールも踏んだその瞬間からしっかりと効く設定になっています。

少し慣れが必要かもしれませんが、これだけの制動力があれば安心して運転できるといった感じです。

アウディTTクーペ「40TFSI」に試乗して思ったのは、やはりアウディTTクーペはドライバーを楽しませてくれる車であることです。

「人馬一体」ならぬ「人車一体」感がとても気持ちがよく、運転が上手くなったように錯覚させられるドライビングフィールはさすがの一言ですね。

休みの日についつい乗ってしまいたくなる、アウディTTクーペはそんな車でした。

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アウディTTクーペ「40TFSI」の3つの気になる点

アウディTTクーペ「40TFSI」に試乗してわかった3つの気になる点を紹介します。

あくまで個人的な見解なので、参考までにご覧ください。

気になる点①後部座席

アウディTT40TFSI後部座席

アウディTTクーペ「40TFSI」に限ったことではありませんが、後部座席が狭いです。

最初に言っておきますが、後部座席に人を乗せる前提でアウディTTクーペを買うと絶対後悔するレベルで狭いです。

アウディの担当者に聞いてみたら「身長100cm前後のお子様なら普通に座れますが、大人の方だとリアガラスに頭が当たってしまうので大変な思いをしますよ。」との事。

つまり、アウディTTクーペは一応4人乗りなのですが、後部座席は子供用、もしくは、物置と思っておいた方がよいです。

しかしながら、後部座席を倒してラゲッジスペースを最大にするとコンパクトなTTクーペからは想像できない程のラゲッジスペースを確保する事が出来ます。

実は、ドイツ本国においてアウディTTクーペは荷物の積めるスポーツクーペという位置づけとなっているそうです。

アウディTTクーペのオーナーは休日になると釣り道具やキャンプ道具を積んで遊びに行くのだとか!

アウディTTクーペの後部座席は絶望的に狭いですが、ラゲッジスペースとして考えれば優秀なスポーツクーペだと思います。

気になる点②シンプル過ぎるインテリア

アウディTT40TFSIインテリア

こちらもアウディTTクーペ「40TFSI」に限ったことではなありませんが、インテリアがシンプル過ぎると感じました。

アウディTTクーペのスポーツカーという特性上、ボタンなどを必要最低限にしたインテリアデザインになっていることは分かっています。

しかしながら、「何も無さ過ぎる」というのも気になったもの事実です。

昨今発売されている新型車のインテリアデザインの傾向としては、好きな色で光らせる事が出来る「マルチカラーアンビエントライト」をはじめ、スイッチ式の「シフトレバー」や「大型ディスプレイ」など、一目見て煌びやかなインテリアが主流となっています。

一方で、アウディTTクーペのインテリアは、ドライバーズカーとしてどこまでもストイックでシンプルを貫き通しているのですが、やはり地味な印象を受けてしまいます。

特に、今では当たり前となったダッシュボード中央にあるはずのナビディスプレイが無い為、夜間は室内が真っ暗になります。

最近の車に見慣れているならちょっと味気なく感じてしまうのは否めないでしょう。

しかし、徹底してドライバーズカーを追求したアウディTTクーペだからこそのインテリアは、良くも悪くもハイテクとローテクが混在した直感的に操作しやすいものになっています。

絢爛豪華なインテリアが好きなユーザーさんには地味と思われるかもしれませんが、車としてみればアウディTTクーペは魅力ある車であることは間違いありません。

気になる点③エンジンが物足りない

アウディTT40TFSIエンジン

最後は、アウディTTクーペ「40TFSI」の試乗で気になったのは、エンジンのパワーに物足りなさを感じてしまったことです。

これに関しては、私がアウディTTクーペ「45TFSIクワトロ」に試乗しているので致し方ないのですが、200馬力以上のエンジンを搭載した車のオーナーさんなら同じことを感じると思います。

アウディTTクーペ「40TFSI」に搭載されている2.0ℓ直4ターボエンジンは、前輪駆動モデルでオーバースペックにならないように専用にディチューンされたエンジンです。

故に、とても扱いやすく誰でも安心して運転できるエンジンという印象を受けました。

その一方で、アウディTTクーペ「40TFSI」にある程度の速さを求めているユーザーさんからすると「ぬるい」かもしれません。

アウディTTクーペ「40TFSI」のパワートレインは、良くも悪くも「扱いやすさ」に特化したエンジンであるため、感動するほどの加速感はありません。

ちなみに、アウディTTクーペ「45TFSIクワトロ」に採用されているパワートレインは、最高出力245馬力と370Nmのトルクを発生させるエンジン+四輪駆動となっています。

アウディTTクーペ「40TFSI」の方が120kg軽いとはいえ、プラス48馬力と50Nmのパワー+四輪駆動システムで武装された「45TFSIクワトロ」との走行性能の差は歴然です。

また、「45TFSIクワトロ」エンジン音も同じ2.0ℓ直4ターボエンジンとは思えない程、スポーツカーらしいエンジン音に仕上げられています。

せっかくアウディTTクーペに乗るなら「45TFSIクワトロ」なのですが、価格差が129万円もあります。

アウディTTクーペ「45TFSIクワトロ」に約130万円の価格差をひっくり返す魅力があれば、是非アウディTTクーペ「45TFSIクワトロ」を検討してください。

とは言え、アウディTTクーペ「45TFSIクワトロ」や200馬力を超えるパワートレインを積んだ車と比較しなければ、アウディTTクーペ「40TFSI」でも必要十分な走行性能を有しています。

扱いやすいエンジンなので、変な癖がなく乗りやすいスポーツカーだと思います。

アウディTTクーペは2023年を目途に廃止され、一旦アウディのラインアップから姿を消す予定です。

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新車の生産遅延により中古車の買取価格が高騰!

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この記事を書いた人

クルマ好きが高じて自動車業界に就職。国産ディーラーと高級輸入車ディーラーの営業マンとして15年以上従事し、合計1000台以上の新車・中古車の販売に携わりました。クルマが大好きな自動車営業マンが大好きな自動車に関するのお役立ち情報や最新モデルの情報を独自の観点から発信しています。

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