どうも、Mです。
アウディを代表するスポーツ部門である「Audi Sport」からまた新型の登場です。
アウディブレンドにおいて屈指の人気を誇るDセグメントのロングセラーモデルである「A4」シリーズの頂点に君臨するハイパフォーマンスモデル、アウディRS4です。
「新型」と言っても、アウディRS4は2000年に初代が販売されています。
はい、初代RS4、ドン!
2000年から2002年のたった2年間しか販売されなかった幻のRS4です。
アウディA4のスポーツモデルであった「S4」をベースに一段と磨き上げられたパフォーマンスモデルということもあり、エクステリアでは32mmずつ拡大されたフェンダーが与えられ、255/35ZR18という極太タイヤが収められることによって強力なトラクションを確保。
現行のRSシリーズにも見られる「マットアルミカラー」のドアミラーカバー、専用設計のバンパーなど一目でRSと分かるデザインと存在感が与えられました。
もちろん速そうなのは見た目だけではなく、心臓部にはRS専用のチューニングが施された2.7リッターV6ツインターボが搭載され、最高出力は385PS、最大トルクは44.9kgmと5リッターのNAエンジン並みの加速力を発揮しました。
トランスミッションもRS専用の6速マニュアルミッション、そして駆動システムはもちろん「quattro」が採用され、0-100km/hの加速は4.9秒を達成していました。
日本で正規ディーラーで輸入、販売されたのはたった50台だけ、しかも左ハンドル仕様のみで、車両価格は960万円でした。
はい、2代目RS4、ドン!
2代目RS4も初代同様に2006年から2008年のたった2年間のみ販売されました。
パワーユニットは初代で採用したターボを廃止し、高回転型のV8エンジンを採用することで、最高出力を420PSと大幅にアップさせています。
最大トルクは43.8kgmと少し下がってしまいましたが、8,250rpmまで吹け上がるエンジンフィーリングの前には霞んで見えます。
初代RS4と大きく異なる点は、ブレーキユニットが強化されたことに加え、ブレーキング時の車体の傾きをコントロールする「ダイナミックライドコントロール」や空転するタイヤにブレーキをかけてLSDの効果を最大限に発揮させ、接地とトラクション性能を向上させるハイテク装置が搭載されたことでより安心してスポーツドライビングが愉しめるようになったことです。
2代目RS4では、初代のようにステーションワゴンだけではなく、セダンや日本未導入のカブリオレも発売されました。
はい、3代目RS4、ドン!
3代目RS4は2012年から2015年に販売されました。
パワーユニットは2代目と同様に高回転型のV8エンジンですが、最高出力は450PSへとアップしました。
最大トルクは43.8kgmと大きな変化はありませんでしたが、減衰力調整可能な「アダプティブダイナミックサスペンション」やトランスミッションは6速マニュアルミッションからデュアルクラッチ式ATの「7速Sトロニック」が搭載されたことで飛躍的に乗りやすさを向上することに成功しました。
その分日本販売価格は1300万円とこちらも飛躍的にアップしています。
初代RS4、2代目RS4、3代目RS4はアウディのレーシング部門であった「クアトロ社(quattro GmbH)」によって製造されたモデルでしたが、新型RS4はアウディが2017年から展開する新たなハイパフォーマンスブランドである「Audi Sport GmbH」の手によるものとなっています。
つまり4代目RS4は「Audi Sport GmbH」による初めてのRS4となる訳ですね。
と、ちょっとカッコいいことを言いましたが、「quattro GmbH」が「Audi Sport GmbH」と社名を変えただけなんですけどね。
ということで、そんな新型RS4を見ていきたいと思います。
新型アウディRS4のエクステリア
まずはエクステリアから見ていきましょう。
アウディに詳しい人だとこれが「RS」とすぐにわかるでしょうが、一応比較画像をご覧ください。
はい、比較画像、ドン!
左が新型RS4で右が新型A4の「S-lineパッケージ」です。
「RS」シリーズのデザインアイコンにはシングルフレームグリルのハニカムメッシュがありますが、見事に「それ」が確認できますね。
しかも先代のRS4の金網のようなハニカムメッシュと比べて、新型RS4のハニカムメッシュはハチの巣のような大型エアインレット形状になっています。
RS4専用にデザインされたフロントバンパーは、大パワーを発揮するハイパフォーマンスエンジンの冷却するためのラジエターをはじめ、RS専用のインタークラーやオイルクーラーの性能を最大限発揮できるようなエアインレットが採用されています。
そんなエアインレットの中、一際目を引くのはヘッドライトの真横のエアダクトです。
アウディA4はもちろん、スポーツモデルであるS4にも見ることのないヘッドライト真横のエアダクトが、RS4の秘めている異常なスペックを物語っているようですね。
歴代のRSモデルと同様に張り出されたフロントフェンダーは、その存在感は元より、通常よりも幅広いタイヤに対応させることで新型RS4のパフォーマンスをさらに高めています。
初代から続いたアウターミラー(ドアミラー)の「マットアルミルック」のミラーカバーは新型からは「カーボン」に変更になっていますね。
アルミ素材はスポーツを連想させる象徴でしたが、近年アルミは比較的身近な存在となり、あまり特別感を感じなくなったこともあるのでしょう。
確かにアルミより「カーボンファイバー」の方が軽量だし、高価なイメージがあるのも事実です。
新型RS4のサイドビューです。
基本的に「S4」をベースとした車両ということあり、ボディそのものには大きな違いは見当たりませんが、やはり目につくのは20インチアルミホイールと大型のブレーキユニットではないでしょうか。
RS4専用のブレーキユニットですが、フロントに大型のスチール製ベンチレーテッドドリルドディスクと対向6ピストンキャリパーを採用しています。
それにより優れた冷却性能を得ることが出来、高温下でもブレーキの安定性を高め、パワフルな制動性能を実現しているというわけす。
さらにオプションになりますが、スポーツドライビング時の厳しい高熱応力の負荷にも耐えられ、軽量化にも寄与する「セラミックブレーキディスク」が設定せれているようです。
セラミックブレーキの持つ圧倒的な軽さと制動力は、まさにRSでしか味わえないスポーティかつ俊敏な走りを生み出します。
リアビューです。
こちらも比較画像をご覧ください。
はい、比較画像、ドン!
左が新型RS4で右が新型A4の「S-lineパッケージ」です。
左の新型RS4はリアテールレンズの真横から張り出したオーバーフェンダー、「ブリスターフェンダー」が確認できます。
この「ブリスターフェンダー」こそ「RS」のデザインアイコンの一つです。
そしてマフラーも「RS」シリーズのデザインアイコンとなっている「オーバルマフラー」です。
楕円形のマフラーエンドによりダイナミックなリアビューを演出しています。
RS4ではオプションで、レーシーなエキゾーストサウンドを奏でる「スポーツエキゾーストシステム」というマフラーが設定されています。
このオプションを装備すると、エンジンをかけた際にレーシーなエンジンの吹け上がりを聞いた後に「バン、バン」というレーシングカーやスーパーカーでしか聞けない音を聞くことが出来ます。
せっかくRS4を買うのであればぜひ検討したいオプションの一つです。
新型アウディRS4のインテリア
新型RS4のインテリアです。
水平基調のシンプルなダッシュボードにブルーのアンビエントライトのアクセントがクールな印象のインテリアとなっています。
メーターナセルにはアウディ一押しの、RS専用デザインの12.3インチの液晶モニター「バーチャルコックピット」が確認できます。
RS4では車のどの方向にどれだけのGがかかっているのかがわかる「Gセンサー」(画像左側)やエンジンの「パワー」と「トルク」をパーセンテージで表示するシステムが用意されています。
また、マニュアルモードでは、エンジン回転数が最適なシフトポジションに近づくと、メーター上が「オレンジ」に、そしてシフトポジションでは「レッド」といったように本格的なレーシングカーさながらの演出が採用されています。
RS4ではシートも専用のスポーツシートが採用されます。
ヘッドレスト一体型のバケットタイプのスポーツシートはレザーで覆われ、ダイヤモンドステッチが施されたシートからは高級感が感じられます。
デザインだけではなく、まるで身体を包み込まれるようなホールド性は、アウディ独自の人間工学に基づく徹底したシート設計の賜物ですね。
このクオリティーの高さはシートに座った瞬間に実感することが出来るほどのです。
多くの物はアウディA4と共有していますが、ブラックアルミパネルやパンチングレザーのステアリングホイールなどRS4ならではの上質な専用パーツを使用し、差別化が図られています。
新型アウディRS4のパワートレイン
新型RS4のパワートレインをご紹介します。
これまで先代のRS4では4.2リッターの自然吸気エンジンを採用することにより8,250rpmという高回転まで回せる気持ちのいいフィーリングが特徴でした。
一方で最大トルクは430Nmとそれなりの数値となっており、5,000rpm以上エンジンを回さないとRS4の本領が発揮できませんでした。
しかし、新型RS4に採用されたエンジンは、ポルシェのパナメーラにも採用されている2.9リッターV6ツインターボエンジンとなっています。
「えっ?2.9リッター?ちょっと待って!アウディS4には3.0リッターエンジンが採用されて、RS4には2.9リッターなの?」
そうなんですよね。
アウディA4のスポーツモデルである「S4」には3.0リッターのエンジンが、そしてハイパフォーマンスモデルである「RS4」には2.9リッターのエンジンが採用されています。
しかし安心して下さい。
アウディS4の3.0リッターV6ターボエンジンはシングルターボで最高出力は354PS、最大トルクは500Nmなのに対して、アウディRS4の2.9リッターV6ターボエンジンはターボチャージャーが2基設置された「ツインターボエンジン」となっており、最高出力は450PS、最大トルクは600Nmと6.0リッタークラスと同等の加速力を誇ります。
実は、同じエンジンを搭載する新型アウディRS5に試乗したんですが、このエンジンが本当に素晴らしかった!
まずエンジンレスポンスが3.0リッターV6ターボエンジンとは比較にならないほど良いです。
ツインターボを採用することでより繊細なセッティングが可能となったことで、ターボラグがほとんどなく、下から上まで本当にスムーズに、そしてあっという間に吹け上がります。
600Nmという化け物並みのトルクによって、横の景色が一瞬で視界から消え去るほどの猛烈な加速を体感すると、最高出力は450PSを誇るパワートレインはさらに車を加速し続けます。
3.0リッターV6ターボエンジンは「ザ・ターボエンジン」といったフィーリングで、ターボブーストがかかると速いのですが、同時にちょっと重たい感じがします。
それに比べてRS4、RS5で採用された2.9リッターV6ツインターボターボエンジンはとにかく吹け上がりが軽いのなんの!3.0リッターV6ターボエンジンでは決して味わうことのできない、まったく違ったエンジンフィーリングでした。
先代のRS4の4.2リッターV8のオオカミを千匹引き連れているようなエンジン音は無くなってしまったものの、このレスポンスとパフォーマンスはRSを名乗るのに納得のスペックとなっています。
Mの独り言
さすがアウディのハイパフォーマンスモデルであるRS4です。
エクステリアもRSらしくアグレッシブデザインでありながら、カナードや大きなスポイラーなどのゴチャゴチャしたパーツがなく、まさに「羊の皮を被ったオオカミ」です。
エンジンに関しては身をもって体感して、これを超えるエンジンはもうしばらく出てこないんじゃないかと思えるほどの出来でした。
そんな素晴らしいRS4に敢えて言わせてください。
インテリアが普通過ぎるよ!
「普通」というか、まったくA4と同じなんですよね。
もちろんちょっとしたパーツの違いはありますが、メーター周り、センタークラスター、センターコンソール、シフトセレクター、全部レギュラーモデルであるA4と同じです。
ドライバーとしてはその車のスペックも大事ですが、やはり見える景色も重要です。
せっかく1000万円以上支払ってRS4を買ったのに、A4と同じ景色はあんまりかなぁと思います。
ライバルであるメルセデスAMGではセンターコンソールのデザインがAMG専用に変えてあったり、BMWのMではシフトセレクターとボタンをMモデル専用で設置してあるなどしっかりと差別化が図られているんですよね。
細かいところかもしれませんが、この手の車を検討する方はスペックも求めますが、所有感も求めるはずです。
RSならではの特別な空間が欲しかったですね。
まとめ
いかがでしたか?
新型RS4は4代目へとフルモデルチェンジを果たし、さらに進化して登場しましたね。
エクステリアの変化はもちろんですが、やはりそのエンジンの進化には本当に驚かされました。
「排気量=速さ」という概念が完全に覆った瞬間でしょうね。
排気量を減らすことで飛躍的に向上したレスポンスとツインターボ化することで得られる繊細な加給とパワーが印象的なエンジンが搭載されています。
RS4のボディ形状はスタイリッシュなステーションワゴンのアバントのみで、いかにアウディが「アバント」のデザインに自信を持っているかがわかります。
アウディA4のビッグマイナーチェンジが2020年に控えているので、また更に進化を続けるRS4に期待しましょう。