アメリカの電気自動車メーカーである「テスラモータズ」の電気自動車の品質の低さに対する抗議行動としてハンガーストライキが敢行されました。
ハンガーストライキとは、非暴力抵抗運動方法の一つで、何らかの主張を世間に広く訴えるために、断食を行うストライキです。
今回ノルウェーのテスラユーザーがハンガーストライキを行った目的は、世界とテスラモータズのCEOであるイーロン・マスク氏に向けてテスラ車の品質管理に対する不満を表しています。
ハンガーストライキに参加したユーザーは、「世界とイーロン・マスク氏がテスラ車の問題を認識することで、改善に向かうのではないか」と希望しています。
今回は、ユーザーが低品質と感じたテスラ車の問題について紹介します。
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テスラ車の低品質問題
ノルウェーのユーザーがストライキを行った原因であるテスラ車の低品質問題を紹介します。
寒い時期に車が始動しない
ノルウェーのユーザーが世界に、そしてイーロン・マスク氏に現状と改善を訴えているのは、寒い時期に車が始動しないことです。
そもそも、車が始動しないってメーカーとしては大問題ですよね。
車は動かなければただの鉄の塊ですよ。
とはいえ、寒冷地の場合だとバッテリーが正常に動かなかったり、バッテリー残量が急激に減ったりするのも事実です。
メーカーとしても、寒冷地対策を行っていると思いますが、寒冷地に住んでいるユーザーからするとまだまだ不十分と言わざるを得ないでしょう。
寒い時期に車が動かなけば、帰る事もままなりません。
当然、エアコンの電源も入らないので寒空の下凍えながら救助を待つ必要があります。
メーカーにとってみれば、寒い時期に車が始動しないのはバッテリーの特性だから仕方ないとする部分もあるかもしれませんが、ユーザーにとっては死活問題です。
早急に改善されることを願います。
ドアハンドルが開かない
ノルウェーのユーザーが世界に、そしてイーロン・マスク氏に現状と改善を訴えているのは、ドアハンドルが開かないことです。
ドアハンドルが開かない?あまり想像できない表現かもしれませんね。
テスラ車では、ドアのアウターハンドルがドアパネルに埋め込まれている形状の「フラッシュマントドアハンドル」を採用しています。
フラッシュマントドアハンドルでは、車のキーの保有者が近付いたり、ドアハンドルに触れることでドアハンドルが持ち上がります。
持ち上がったドアハンドルを引いて、ドアを開ける事が出来る機構です。
ノルウェーのユーザーによると、テスラ車のフラッシュマントドアハンドルが正常に機能せず、ドアが開けられないという事例が多発しているといいます。
フラッシュマントドアハンドルは、ボディとハンドルが一体化しているので、車のロックが解除されていたとしても、ハンドルを握ってドアを開ける事が出来ません。
目の前に車があるのに、ドアハンドル出てこなくて乗り込めないなんて!イライラするでしょうね。
テスラ車を所有しているユーザーからすると、一刻も早く改善してもらいたいところだと思います。
ちなみに、テスラ車でもっとも売れている「モデル3」は、フラッシュマントドアハンドルを指で押してドアハンドルを立ち上げるアナログ方式を採用しているのでこの限りではないようです。
「モデル3」以外のテスラ車には要注意ですね。
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世界で報告されている問題
ノルウェーのユーザーによる抗議活動とは別に、世界中で報告されているテスラ車への苦情も調べてみました。
車のガラスが粉々になる
テスラ車のガラスが突然粉々に割れた!という事例があるようです。
車のガラスには割れた際にケガをしにくいように丸く粉々になる特殊なフィルムが施工されています。
よって、ガラスが粉々になること自体は何の問題もないのですが、突然割れるというのは怖いですね。
粉々に割れたガラスには、鳥が落とした硬い木の実や走行中の車が跳ねた小石などによる外的要因はなく、いきなり割れたと報告されているようです。
太陽光による熱膨張によってガラスが割れたことも考えられますが、そのくらいで割れるガラスが採用されているのであれば大問題です。
雨でリアバンパーが脱落
雨天走行中に突然リアバンパーが脱落した!という事例があります。
これはテスラ「モデル3」に多発した欠陥で、テスラモーターズもドライバーが水深の深い所を無理に運転したせいだと結論付けていました。
しかし、同様の事例が世界各地から報告されたのを機に調査を行った結果、最終的にテスラモーターズが欠陥を認めました。
原因は、走行中に巻き上げた砂や水がアンダーボディに詰まることでリアバンパーを圧迫するという設計上の欠陥でした。
すぐさま「テスラ3」のリアバンパー形状が見直され、すでに欠陥は修正されています。
しかしながら、そもそも雨でリアバンパー脱落するなんて、あってはならない事例のような気がしてなりません。
ハンドルの劣化
テスラ車のステアリングの劣化が早すぎる!という事例があるようです。
https://twitter.com/klwtts/status/1553467640886149120?s=20&t=plcTS4LjT1Y8zsTNkXCIlAテスラ「モデルS」に採用されているヨークスタイルのステアリングですが、あまりにも早い劣化をSNSに投稿する人が後を絶ちません。
ユーザーが不満を口にしているのは、ハンドルグリップの素材が剥がれ落ちです。
まるで朽ち果てた車のステアリングのようなボロボロの見た目になることが報告されています。
購入から約4万キロ走行したころからハンドルグリップの素材が剝がれ始めたというユーザーもいれば、約7000キロ走行しただけでボロボロと剥がれ始めたというユーザーもいます。
ユーザーの使い方もあるかもしれませんが、何年も乗ることを考えるとハンドルグリップの素材はあまりにも脆すぎる気がします。
車両火災
車が燃えた!という事例があります。
車両火災の問題は、あまりにも知られている問題ですよね。
事故よる外的要因によるバッテリーの損傷により車両火災が発生するケースは報告されていますが、車両を駐車後発火したという事例もあるようです。
電気自動車における車両火災の原因のほとんどは、搭載しているバッテリーの熱暴走によるものであることが分かっています。
バッテリーは充電と放電時に熱を発生するため、常に30~40℃前後になるように制御されています。
しかしながら、温度の制御が出来なくなると高熱になり、バッテリー内部のセパレーターを破損することで化学反応を起こし、発火します。
バッテリーに使用されている薬品の化学反応で可燃ガスを発生するため、消火活動は極めて困難を極めます。
そのため、大量の水が必要になることはもちろん、消火したかと思ったらまた発火するなど、消火活動には予断を許しません。
テスラとしても、車両火災の実態は掴んでいるはずなので、一刻も早い改善と対策を希望します。
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イーロン・マスク氏の反応は?
https://twitter.com/monstermasten/status/1563632839287083010?s=20&t=AboIs53seBd9gHBQSn3FYgノルウェーのテスラユーザーによるハンバーストライキですが、8月24日~25日にかけて24時間行われています。
ストライキの参加者は、「この活動によってテスラが耳を傾けてくれることを願っています」と語っています。
17台のテスラ車による「車文字」をSNSに掲載することでどれだけの影響力があったのかは不明ですが、少なくとも同情の声は集まっているようです。
そして肝心のイーロン・マスク氏に届いたのかどうかですが、それは本人のみの知るところでしょう。
ちなみに、イーロン・マスク氏は以下のようなツイートをしています。
On advice of a good friend, I’ve been fasting periodically & feel healthier
Google翻訳
良き友人のアドバイスで、私は定期的に断食をしており、健康を感じています
Google直訳なので本当のニュアンスなどは分かりませんが、ハンガーストライキをからかっているようにも見えますね。
もしトヨタ自動車の豊田社長へのストライキに関して、豊田社長がこのような発言をすると大問題になるでしょう。
もちろん豊田社長はそんなことしないと思いますが・・・。
まぁ、ストライキやバッシングをもろともしないメンタルを持っているからこそ、イーロン・マスク氏はテスラを一代で世界的大企業へと成長させることができたのでしょうね。
テスラモーターズは、ユーザーの訴えに耳を傾けて、良質な電気自動車の開発と販売を行ってほしいと思います。