世界中で急速な電気自動車(EV)への移行が行われています。
100年に一度と言われている自動車業界の変革期ですが、思わぬ形で表れているようです。
この程アメリカの自動車メディア「carscoops」が報じたところによると、アメリカ国内においてEVの販売低迷が起こっており、なんと全米の販売店に大量の在庫を抱えている状況になっているようです。
アメリカではEVへの関心は高まっているが、実際に購入に踏み切るユーザーはまだまだ少ないようです。
全米で9万2000台の在庫!
最新のレポートによると、全米の自動車販売店にあるEVの在庫車は9万2000台以上にのぼるとみられています。
アメリカと言えば、電気自動車のパイオニア「テスラモーターズ」の母国であり、現に電気自動車の開発と販売は積極的に行っている国であることは言うまでもありません。
そんなEVに寛容なアメリカであってもEVの販売が低迷し、全国のディーラーに大量の在庫車が埃をかぶっている状況にあるようです。
EV販売低迷の原因については様々な要因が考えられますが、やはり急激なEVへのシフトにより消費者(ユーザー)が大きく混乱していることが大きいと思っています。
carscoopsの記事によると、投資銀行家のヴィタリー・ゴロム氏が「市場成長には自然のスピードがあり、急激な変化に多くのユーザーが抵抗している状態である。また、多くのブランドが一斉に展開したことで消費者に選択肢が増えすぎて混乱している。」と語っています。
EVを積極的に展開していたアメリカですが、もしかするとアメリカのEV市場の成長が一時的に止まってしまう可能性が示唆されています。
世界中の車が排気ガスを出さない環境にやさしいEVに置き換えられるまで、まだまだ道は険しいようですね。
日本のEV普及率は0.6%!
環境情報を基礎から解説するサイト「アスエネメディア」によると、2020年の新車販売台数におけるEVの割合は0.6%だったようです。
この0.6%という数字が高いのか低いのかわからないので、同じ先進国である「アメリカ」「中国」「EU」と比較しましょう。
2020年の新車販売台数におけるEVの割合 | |
アメリカ | 1.8% |
中国 | 4.4% |
EU | 5.6% |
日本 | 0.6% |
予想はしていましたが、やはり0.6%という数字は「かなり低い」数字でしたね。
アメリカではEV販売が鈍化していますが、日本ではEVの販売はそもそも低迷し続けているというのが現状です。
ちなみに日本は2030年までにEVの販売割合を20~30%する目標を掲げていますが、2020年に0.6%だった割合を10年で20~30%に押し上げるのは至難の業でしょうね。
日本でEVが普及しない大きな要因のひとつに「充電インフラの不足」が挙げられています。
2023年7月現在のEV用充電ステーションの数は以下の通りです。(GoGoEV参照)
充電タイプ別の設置台数 | |
CHAdeMO (急速充電) |
9,559基 |
200V (普通充電) |
23,030基 |
100V (普通充電) |
242基 |
テスラ専用 (急速充電) |
607基 |
日本国内に設置されている充電ステーションの数を合計すると33,438基あります。
この数字が多いか少ないかは置いておいて、実用的な充電ステーションだけに焦点を当てると「CHAdeMO」の9,559基だと思います。
「100V」と「200V」の普通充電ステーションの数は23,272基と多く設置してありますが、充電速度は1時間に3kW~8kW程度なのでハッキリ言って実用的ではありません。(100km走行するための充電だけでも数時間必要)
日本市場においてEVの割合を増やす為には「CHAdeMO(急速充電器)」の増設が急務であることは言うまでもないでしょう。
とはいえ、この「CHAdeMO」の充電ステーションの設置には機械代と工事費と数十万~数百万円の投資が必要となる為、なかなか進んでいないのが現状です。
昨今では比較的滞在時間が長くなるゴルフ場や宿泊施設等に設置されるケースが多くなっているようですが、まだまだ一般のユーザー向けではないですね。
やはり充電インフラの拡充が急務となるでしょう。
ちなみに、テスラ車には「CHAdeMO変換アダプタ」を使用できるので「テスラ専用」と「CHAdeMO」どちらでも充電する事が可能です。
充電ステーションの数が不安なのであればテスラを購入する事をお勧めします。
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