世界中には度肝を抜くようなハイパーカーが街中を走っています。
ハイパーカーのデザインやスペックも気になりますが、やはり「いくらするんだろう?」と金額も気になるところです。
今回は、アメリカの自動車メディア「Motor1」で紹介された記事を参考にして、過去20年以内に世界で発表発売された最も高価な最新ハイパーカーランキング・トップ10を紹介します。
総額140億円超えの超高級ハイパーカーを厳選&深堀して紹介します。
※2023年5月15日現在の為替レート(1ドル=136円)で計算しています。
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10位 パガーニ「ウアイラ・イモラ」
第10位は、パガーニ「ウアイラ・イモラ」で、車両価格は540万ドル(約7億3440万円)です。
パガーニ(正式名称:パガーニ・アウトモビリ)は、1992年にランボルギーニのデザイン部門に所属していたオラチオ・パガーニ氏によって設立された、イタリアに本拠地を置くハイパーカーメーカーです。
そんなパガーニが開発し2012年に限定100台のみ販売された「ウアイラ」をベースに、2020年に世界限定5台のみ生産&販売されたモデルが「ウアイラ・イモラ」です。
メルセデスAMG製の6.0ℓV12ツインターボガソリンエンジンが発生する最高出力は827馬力!
トランスミッションは7速のシーケンシャルというレーシングカー並みのストイックな仕様になっています。
ベースとなる「ウアイラ」よりも36馬力パワーアップしているだけではなく、「ウアイラ・イモラ」専用のバンパーやウイングなどのエアロパッケージが装備されています。
世界限定5台は全て完売しており、1台はロシアのチューナー「カートップ」のオーナーが所有していて、1台は中国へ渡っていることが確認されています。
9位 ブガッティ「ディーヴォ」
第9位は、ブガッティ「ディーヴォ」で、車両価格は580万ドル(約7億8880万円)です。
ブガッティ(正式名称:ブガッティ・オトモビル)は、フランスに本拠地を置くハイパーカーメーカーとして知られています。
ブガッティ・オトモビルの前身である「ブガッティ」は、イタリアの技術者エットーレ・ブガッティ氏によって1909年に設立されましたが、紆余曲折あり1995年に経営破綻してしまいました。
そして、1998年にフォルクスワーゲングループが「ブガッティ」ブランドの製造と販売を行う会社として「ブガッティ・オトモビル」を創業し、今に至っています。
ちなみに、「ブガッティ」の特徴的なデザインである「馬の蹄の形をしたグリル」は、大の馬愛好家だった設立者エットーレ・ブガッティ氏がデザインしたものです。
そんなブガッティが開発した「ディーヴォ」は、2019年から世界限定40台で販売されているハイパーカーです。
驚くことに、7億円以上する「ディーヴォ」は発表当日に40台完売しているとのこと!
ブガッティ「ディーヴォ」に搭載される8.0ℓW型16気筒クワッド(4基)ターボガソリンエンジンは、最高出力1500馬力と1600Nmの最大トルクを発生させる化け物スペックとなっています。
「ディーヴォ」では軽量アルミホイールやカーボンファイバー製のインタークーラーの採用で、兄弟車である「シロン」よりも34kgも軽量化することに成功しています。
さらに、ダウンフォースを増加したことでハンドリング性能の向上も確認されています。
8位 SPオートモーティブ「カオス」
第8位は、SPオートモーティブ「カオス」で、車両価格は640万ドル(約8億7040万円)です。
SPオートモーティブ(正式名称:Spyros Panopoulos Automotive)は、ギリシャに本拠地を置く新興ハイパーカーメーカーです。
SPオートモーティブによると、同社はハイパーカーを超える性能を持つ「ウルトラカー」の第1弾として「カオス」を発表しました。
SPオートモーティブ「カオス」は、エントリーモデル「アースバージョン」と、ハイエンドモデル「ゼログラビティ」の2グレード構成とのこと。
どちらのグレードにも4.0ℓV8ツインターボガソリンエンジンが採用されているのですが、驚異的なスペックを誇っています。
「アースバージョン」には、10000~11000rpmという超高回転域で最高出力2000馬力と最大トルク1389Nmを発生。
「ゼログラビティ」では、11800~12200rpmで最高出力3100馬力と最大トルク1984Nmという信じられないスペックになっているようです。
ボディにはマグネシウム合金をはじめ、カーボンファイバーやチタンといった軽量&高級素材をふんだんに使用する徹底ぶりを見せています。
ちなみに、ランキングの参考価格は「アースバージョン」となっています。
ハイエンド「ゼログラビティ」の価格は日本円で約16億3000万円になる予定ですが、本当に発売されるのか不明なので一旦除外しています。
7位 パガーニ「コーダルンガ」
第7位は、パガーニ「コーダルンガ」で、車両価格は740万ドル(約10億640万円)です。
イタリアのパガーニが製造する「ウアイラ」をベースに、世界限定5台のみ販売される「コーダルンガ」は、たった2人の顧客のわがままから誕生した特別な車です。
「ウアイラのロングテールモデルを作ってほしい」、そんな要望を本当に形にしてしまうのがイタリアのメーカーなのでしょうか?
ちなみに、「コーダルンガ(codalunga)」はイタリア語で「ロングテール」を意味する言葉です。
パガーニによると、顧客の要望は「流麗なプロポーション」「世界レベルのエレガンスを持っている」「普段使いできるハイパーカー」という無理難題だったようです。
パガーニはプロジェクトチームを編成し、顧客と打ち合わせすること約2年という歳月をかけてコンセプト案がまとまり、プロトタイプの作成に入ることが出来ました。
デザインのヒントになったのは、1960年代のル・マンレーサーが持つ「伸びやか&滑らかプロポーション」。
その結果、パガーニ「コーダルンガ」のエンジンカバーは360mm延長されたことで顧客が求めていた理想のロングテールを再現することに成功しています。
また、軽量化にも余念がなく、アルミやカーボンファイバーなどの軽量複合素材をはじめ、チタンなども使用しています。
特に、チタンの素地むき出しのエキゾーストシステムには、古き良きル・マンレーサーの面影を見ることが出来ます。
パガーニ「コーダルンガ」に搭載されたパワーユニットは、6.0ℓV12ツインターボガソリンエンジン。
最高出力840馬力と最大トルク1100Nmを発生させるトルクの化け物エンジンです。
もちろん5台全て完売しており、納車先は明かされていません。
6位 マイバッハ「エクセレロ」
第6位は、マイバッハ「エクセレロ」で、車両価格は800万ドル(約10億8800万円)です。
マイバッハは1909年にドイツで設立されたエンジン製造会社でしたが、後にメルセデスベンツグループの超高級ブランドとしてその名を知られています。
現在では、メルセデスベンツの頂点に立ち続ける「究極のラグジュアリーカー」を追求するメルセデスベンツの超高級モデルとして「メルセデス・マイバッハ」となっています。
2005年に発表されたマイバッハ「エクセレロ」ですが、驚くことにタイヤの開発の為に作られた世界にたった一台の車です。
それを物語るように、「エクセレロ」という名称は、グッドイヤー傘下のタイヤブランド「FULDA(フルダ)」のハイエンド製品と同じ名称となっています。
つまり、フルダの23インチ高性能タイヤ「エクセレロ」のプロモーションのために製造された贅沢な車こそ、マイバッハ「エクセレロ」というわけです。
マイバッハ「エクセレロ」は実際に走行する事も可能で、最速アタックにチャレンジして時速351kmを達成しています。
マイバッハ「エクセレロ」は全長5834mm×全幅2121mm×全高1377mmという大型サイズにも関わらず、2ドアクーペという優雅な仕様になっていました。
パワートレインは最大出力700馬力を発生するメルセデス・AMG製の5.9ℓV型12気筒ツインターボエンジンを搭載しています。
タイヤのプロモーションのためだけにこの世に生まれた世界にたった1台の車という希少性を考慮すれば、10億4800万円は安いのかな?
5位 ブガッティ「チェントディエチ」
第5位は、ブガッティ「チェントディエチ」で、車両価格は900万ドル(約12億2400万円)です。
今でこそフランスに本拠地を置き、フォルクスワーゲングループの超高性能ブランドであるブガッティですが、その創業は1909年という歴史のあるメーカーです。
ブガッティ「チェントディエチ」はブガッティ創業110周年を記念して世界限定10台のみ販売された特別なモデルです。
ちなみに、車名である「チェントディエチ」はイタリア語で「110」を意味する言葉です。
ブガッティ「チェントディエチ」のエクステリアですが、まるでコンセプトカーをそのまま具現化したようなデザインは、まさに唯一無二!
個人的には、ヘッドライトユニットがあまりにもシャープなので、本当に夜間に運転できるのかどうか心配になります。
ブガッティ「チェントディエチ」は「シロン」をベースに開発されました。
創業110年を記念する特別な車という事もあり、斬新なデザインを残しつつも機能性のある複雑なエアロダイナミクスを構築することが難しかったようです。
パワートレインは、「シロン」に搭載されている8.0ℓW型16気筒クワッドターボエンジンをさらに専用チューニングした特別仕様となっています。
最高出力は1500馬力から100馬力アップの1600馬力に引き上げられています。
ブガッティ「チェントディエチ」では20kgの軽量化も図られており、さらには専用のオイルクーラーダクトを追加するなど冷却性能も向上させています。
ブガッティ「チェントディエチ」は0-100km/h加速をわずか2.4秒で完了する化け物です。
ブガッティ「チェントディエチ」はすでに完売しており、納車は2022年から順次開始されています。
4位 ブガッティ「シロン・プロフィレ」
第4位は、ブガッティ「シロン・プロフィレ」で、車両価格は1080万ドル(約14億6880万円)です。
またしてもブガッティが手掛ける超高級ハイパーカーがランクインしています。
ブガッティ「シロン・プロフィレ」は世界でたった1台しか生産されていない特別な車です。
しかも、ブガッティ「プロフィレ」の車両価格はメーカー希望価格ではなく、オークションで落札された価格となっているため非常に高額になっています。
そもそもブガッティ「プロフィレ」は、ベースモデルである「シロン」とスポーツモデルである「ピュールスポール」の間に位置するグレードとして開発されていました。
しかし、「ピュールスポール」の予想以上の売れ行きに対応できず、やむを得ず「プロフィレ」の開発はキャンセルされてしまいます。
そこでブガッティは「プロフィレ」を1台だけ生産してオークションに出品するという大胆な試みを行いました。
その結果、世界にたった1台しか存在しないブガッティ「プロフィレ」が世に解き放たれることになったわけです。
ブガッティ「プロフィレ」の基本的なデザインは「ピュールスポール」とほぼ同じですが、大型のリアウイングの代わりに上品なダックテールスポイラーに変更されています。
パワートレインはブガッティお馴染みの8.0ℓW型16気筒クワッドターボエンジンで、最高出力1500馬力と1600Nmの最大トルクを発生するモンスタースペックです。
ブガッティ「プロフィレ」ですが、空気抵抗値が少ないダックテールのおかげで「ピュールスポール」よりも29km/hも速い、最高時速379kmを達成しています。
一見すると「シロン」ですが、唯一無二のダックテールスポイラーがどことなくエレガントな雰囲気を演出しているように感じます。
3位 ロールス・ロイス「スウェプテイル」
第3位は、ロールス・ロイス「スウェプテイル」で、車両価格は1280万ドル(約17億4080万円)です。
誰もが知る超高級車「ロールス・ロイス」がやはりランクインしました。
1906年にイギリスで設立されたロールス・ロイスは現在BMWが製造販売を行っています。
1998年にフォルクスワーゲングループがロールス・ロイスとベントレーの買収を行った際に、ロールス・ロイスのブランド名とロゴだけがBMWに譲渡されるというトラブルが生じています。
フォルクスワーゲングループとBMWで幾度となく協議を行った結果、最終的にフォルクスワーゲングループがベントレーを、BMWがロールス・ロイスの製造販売を行うことになりました。
ロールス・ロイスが掲げるのは「世界一の静粛性」「世界一の快適性」そして「世界一の優雅さ」を追求しているブランドとしても知られています。
そんなロールス・ロイスが完全オーダーメイドで生産する特別なモデルこそ「スウェプテイル」です。
ロールス・ロイス「スウェプテイル」の個性的なデザインは、1920年代に発売されていた「swept-tail(スウェプト-テイル)」からインスパイアされています。
ロールス・ロイスの伝統的なデザインをクラシカル、且つ、モダンに仕上げた唯一無二のロールス・ロイスと言っても過言ではないでしょう。
ロールス・ロイス「スウェプテイル」は「ファントム・クーペ」をベースにした2ドアクーペで、後部座席のインテリアデザインはまるで高級クルーザーの室内を思わせるようなデザインが採用されています。
気になるパワートレインは、最高出力460馬力を発生する6.8ℓV型12気筒エンジンです。
1000馬力近い化け物エンジンではありませんが、ロールス・ロイスの美学をしっかりと受け継いだエレガントなエンジンであることは間違いないでしょう。
2位 ブガッティ「ラ・ヴォワチュール・ノワール」
第2位は、ブガッティ「ラ・ヴォワチュール・ノワール」で、車両価格は1340万ドル(約18億2240万円)です。
ブガッティの最高級ワンオフモデルがランクインしました。
ブガッティ「ラ・ヴォワチュール・ノワール」は世界一高価な自動車と呼ばれる特別な車です。
ブガッティ「ラ・ヴォワチュール・ノワール(黒い車)」は、1936~1938年にたった4台しか生産されなかった伝説のブガッティ「タイプ57 SCアトランティック・クーペ」の1台です。
4台中3台は見つかっているものの、最後の1台となる「ラ・ヴォワチュール・ノワール」こと「タイプ57 SCアトランティック・クーペ」だけが現在も見つかっていません。
よって、もし本物の「ラ・ヴォワチュール・ノワール」が発見されれば、世界で最も高価な車になると言われています。
そんなブガッティの伝説の車からインスパイアされたのが2019年に発表された現代版「ラ・ヴォワチュール・ノワール」だったわけです。
ブガッティ「ラ・ヴォワチュール・ノワール」を見て見ても、ベースモデルである「シロン」の面影はドア周りだけ残っている印象になっています。
それ以外は全くの別物と言っていいほど手が加えられているところを見ると、ブガッティの本気度が分かりますね。
ボディはフルカーボンファイバー製となっており、「ブラックカーボングロッシー」というブラックのクリアコートがボディ全体を覆っています。
混ざりっけなしの漆黒の艶めきが「ラ・ヴォワチュール・ノワール」の存在感をより一層引き立てているようです。
パワートレインは、ブガッティお馴染みの8.0ℓW型16気筒クワッドターボエンジンを搭載。
最高出力1500馬力と1600Nmの最大トルクを発生し、0-100km/h加速をわずか2.5秒で完了するモンスタースペックとなっています。
1位 ロールスロイス「ボートテール」
栄えある第1位に輝いたのは、ロールス・ロイス「ボートテール」で、車両価格はなんと2800万ドル(約38億800万円)です!
ロールス・ロイス「ボートテール」は2021年5月に発表された完全オーダーメイド車両であり、明確な車両金額は公表されていません。
ロールス・ロイス「ボートテール」は第3位にランクインしたロールス・ロイス「スウェプテイル」の後継モデルです。
ロールス・ロイス「スウェプテイル」は3名の特別なお客様と4年という歳月を費やし完成させた特別なモデルとなっています。
「今までにない車を作って欲しい」という、言われたら一番困る要望をどうやって形にするのか・・・・。ロールス・ロイスのデザインチームはさぞ苦労したと思います。
作成はデザインスケッチからはじまり、実物大のクレイモデル作成、デジタル化を経て人の手によってさまざまな微調整が加えられてデザインが完成しました。
最終的にロールス・ロイス「ボートテール」の全長は5.9mという2ドアクーペとしては考えられない程のロングボディーになっています。
ロールス・ロイス「ボートテール」という名前の通り、随所にモーターボートやクルーザーなどを彷彿とさせるデザインによって構成されていることが分かります。
テール部分には、冷蔵庫をはじめ、グラスなどの収納ケースとカクテルテーブルが収納されており、いつでもどこでも優雅なひと時を過ごせる仕掛けが施されています。
ちなみに、イタリアの家具メーカーPromemoria(プロメモリア)製のスツールと、万が一の悪天候に備えて大型のパラソルも装備されています。
パワートレインは発表されていませんが、おそらく6.75ℓV型12気筒ツインターボガソリンエンジンではないかと思います。
ロールス・ロイスは速さではなく、「世界一の静粛性」「世界一の快適性」そして「世界一の優雅さ」を追求する超高級ブランドなので、1000馬力を超えるようなモンスタースペックではないでしょう。
最後にロールス・ロイス「ボートテール」の価格ですが、噂によると生産された3台の内、1台の価格が2800万ドル(約38億800万円)だったと噂されているようです。
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